今日のような秋雨の寒い夜にはシューベルトが聞きたくなります。
「冬の旅」より「あふるる涙」。
これも不思議なことに女学校で習っているんですね。今でもメロデイー忘れません。
詩の意味は次のようなものです。
6. Wasserflut | 涙の川 |
Manche Trän' aus meinen Augen | たくさんの涙が僕の眼から |
Ist gefallen in den Schnee; | 雪の上に落ちていった。 |
Seine kalten Flocken saugen | 雪面の冷たい粉が吸い込んでいく、 |
Durstig ein das heiße Weh! | 渇いていたように、この熱い悲しみを!
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Wenn die Graser sprossen wollen, | 草が芽吹こうとする時には、 |
Weht daher ein lauer Wind, | 暖かい風が吹いてくるものだ。 |
Und das Eis zerspringt in Schollen, | そうして氷は砕けてばらばらになり、 |
Und der weiche Schnee zerrinnt. | 柔らかい雪は融け去っていくんだ。
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Schnee, du weißt von meinem Sehnen: | 雪よ、僕の想いは知っているだろう、 |
Sag', wohin doch geht dein Lauf? | 言ってみろ、一体おまえの行く先はどこなのか? |
Folge nach nur meinen Tränen, | ただ僕の涙についてくるんだ、 |
Nimmt dich bald das Bächlein auf. | すぐに小川がおまえを受け入れてくれるから。
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Wirst mit ihm die Stadt durchziehen, | 小川とともにあの街を通りぬけ、 |
Muntre Straßen ein und aus - | にぎやかな通りを出入りして- |
Fühlst du meine Tränen glühen, | 僕の涙の熱く燃えるのを感じたなら、 |
Da ist meiner Liebsten Haus. | そこが僕の愛する人の家なんだ。 |
「冬の旅」ですから季節は冬ですが、今日などは冬と言ってもよいくらい寒々としていますね。この歌が心にしみますね。でも彼の情熱に熱くなるかもしれません。