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![]() ![]() 雄しべと奇形花弁 ![]() 雌しべ 季節で七十二候とは古代中国において考案された季節を表す方式のひとつで、二十四節気をさらに約5日ずつの3つに分けた期間のことである。 日本では江戸時代に暦学者の渋川春海らによって、日本の気候風土に合うように改訂した「本朝七十二候」が作成された。 現在は明治7年(1874)に本暦から日常生活に関する部分だけを抜き出して、一般の人が使いやすいように改定した、「略暦」に掲載された七十二候が使われている。 立冬初候(11月8日~11月12日)は、「山茶始開」である。 「つばきはじめてひらく」と読み、山茶花が咲き始める時期としている。 山茶を「つばき」と読むのは、「山茶(さんさ)」が漢語ではツバキ(椿)属一般の名前であったことに由来する。 サザンカはツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹で、別名イワハナビ(岩花火)やヒメツバキ(姫椿)と呼ばれる。 原産地が米国オレゴン州からカリフォルニア州にまたがるロッキー山地とされるスベリヒユ科の常緑多年草レウィシアの和名が、サザンカの別名と同じ「岩花火」である。 サザンカの方が岩花火の別名をはるか昔から使っていたので、レウィシアがその名前を横取りしたことになるのだが、「岩花火」の名前はレウィシアの花を表すのにピッタリでこちらのほうに軍配を上げたい。 漢字で「山茶」と表記すれば中国では、ツバキ属の全てを指している。 山茶花の本来の読みは「サンサカ」であるが、日本で音が倒置していつの間にか「ササンカ」となり現在の読みの「サザンカ」に転化して定着したと言われている。 四国西南部・九州・沖縄原産のサザンカは、属間で容易に交雑するので園芸品種が豊富で300種類以上もあるとさる。 これらは基本的には、サザンカ系・カンツバキ系・ハルサザンカ系の3群の系統に分けられている。 サザンカ系は野生のヤブサザンカから作出された園芸品種で、10月頃の早い時期に花を咲かせるのが特徴で花弁は一重や二重である。 カンツバキから作出された品種群は花弁の数が多いことが特徴で、八重咲きや獅子咲きなど咲き方も華やかなである。11月中旬〜2月に花を咲かせる。 サザンカ群と交雑しやすいことから、区別が難しい品種がある。 サザンカと椿の交雑品種群は一重から八重咲きまで咲き方や花色が多様で、花の大きさも様々である。 現在町なかの庭や公園に植栽されて見られるものの多くは、大輪八重咲きで色彩も白・ピンク・赤から絞りなど豊富である。 我が家の庭で50年以上もヒッソリ咲く早咲きサザンカは、径6cmと小輪一重咲きのピンクで10枚の花弁を持つ。 二段咲きではないが、雄しべの中に2~3片の奇形花弁が混じっている。 同定はしていないが、ヤブサザンカ系の種として間違いないと思われる。 10月に入って毎日一輪二輪と咲いていたが、このところの気温低下もあってか急に花の数を増した。 花数に比較して結実する数は少ないが、チャ(茶)に似た種子を付け自然落下でも芽を出すほど極めて発芽しやすい。 山茶花を 旅人に見する 伏見かな 西鶴 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年10月14日 12時03分28秒
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