カテゴリ:カテゴリ未分類
「匂い松茸、味湿地」という言葉がある。茸の中で松茸が最も香り良く、食べるならシメジが美味いという意味だ。 松茸は天然ものしかなく栽培・養殖ができない茸であるため、高価である。一方シメジも天然物はなかなか見つけられなく、一般の人の口には入らない希少な茸である。 今店頭でシメジとして販売されているのはヒラタケやブナシメジの類で、諺にいうシメジとは異なり人工栽培されたキノコである。 今年の松茸発生は彼岸頃から始まって、10月中旬に最盛期を迎えた。15日頃急激な気温低下もあって、次第に発生か少なくなっていた。 都会に住む人や松茸の産地に住んでいても松茸狩りに興味のない人は全く知らないが、金木犀の開花と松茸の発生には奇妙な一致がある。 金木犀の開花する気象条件は、松茸が発生を始めるそれに近い関係がある。金木犀の香りがすると、ぼつぼつ松茸採りの話題が多くなる。 今年は彼岸過ぎに金木犀が開花し、合わせて松茸入荷や松茸狩りの話題が聞かれるようになった。 9月中には、一斉に金木犀の花は散った。 10月中旬過ぎに季節が1か月も逆戻りし30℃を超えるほどの気温が何日か続いた後街中で、再び今秋2回目となる金木犀の香りが漂い始めた。 長野県には名だたる松茸の産地が何か所もあり、実家のある南信州も産地として有名で茸専門に扱う全国に有名な店舗もある。 その店の話によると一旦松茸の入荷が少なくなっていたが、雨後で気温が低下した19日頃から再び入荷が増加しているのだという。 金木犀の開花と、松茸の発生には明らかに正の関係があるように思われる。 今年は松茸発生がピークの、10月9日に実家の松茸山へ入った。弟はあっという間に18本を探し当てたが、自分は弟が探し当てた松茸を採取して写真を撮っただけで探し当てることはできなかった。 採った松茸のうち16本を貰ってきて、松茸ごはん・土瓶蒸し・焼き松茸にして食べた。 松茸の下拵えは布巾で拭く人もあるが、手早くすれば溜め水で洗った方が綺麗になる。 石突きを丁寧に削ぎ落した後、笠の上から根元に向けて洗ったら水を吸う前にキッチンペーパーで素早く水気を拭き取る。 焼き松茸は丸ごと焼くより裂いてから焼いた方が香りが立つので、笠に切れ目を入れて指先で根元に向けて4~6切れほどに裂く。 裂いたらホイルなどで包まず、小量の塩か酒を振りかけてから直火の網焼きにした方が香りが立つ。 20cmを遥かに超え焼き網からはみ出すほど大きな松茸を焼いて食べた。 焼き立て熱いうちに食べると、日本人に生まれて良かったとしみじみ思う至福の時間に浸ることができる。 4年ほど前小学生だった孫は、松茸料理の香りを「クサッ!」と言って顔を背けていたが今年は何故か好んで食べたという。 今年の信州松茸の発生は恐らく、10月中で終わりになると思われる。ぼつぼつ高齢になってきたこともありいつまで松茸狩りができるだろうか、未だ松茸狩りの季節が終わる前からもう来年の金木犀の開花が待ち遠しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年10月21日 10時40分54秒
|
|