50代の転換期

またひどく次元の低いところで小さな騒ぎが起こっているようだ。

駆け付け警護。
PKOに参加している部隊であれば、わざわざ呼び名など付けなくても
当たり前に行うべき行為だと思う。

国連関係者やNGOが「助けてくれ」と懇願しているにもかかわらず、
「いや、自分たちは戦えないから」と言いながら、
彼らを見殺しにする部隊がどこの国にあるだろうか。
私はこの「駆け付け警護」自体に反対する人達の気が知れない。

そんなことよりも、反対すべきは自衛隊を国外に出すことなのだ。
以前から何度も書いているが、ノンフィクション作家の石川好氏が言ったように、
我々日本人は平和憲法を守るのではなく、平和憲法で攻めるべきなのである。

PKOだろうがなんだろうが、自衛隊（Self-Defense Forces）なのだから、
自国を防衛する以外には絶対に軍事活動はさせない。
地震や大雨などの自然災害があれば、
「国を守る行動」として泥まみれになって必死で国民を救う。
だが、絶対に武器を持っている状態では海外には出さない。
「それが日本のSelf-Defense Forcesなんだ」
ということを世界に知らしめるべきなのである。

にもかかわらず、武器を持たせて中途半端に海外に送り出すから
外国にはさらなる協力を要請され、国民には「危険だ、危険だ」と
くだらない理由で反対されることになるのだ。

おまけに防衛大臣は「リスクは高まらない」などとデタラメなごまかしを言う。
彼女は思想的に真性の右翼だ（と私は思っている）から、おそらく本心では
「自衛隊にはいつでも死ぬ覚悟が無ければならない」と思っているはずだ。
ところが、それは口が裂けても言えないから結局ごまかしに終始することになる。

とにかく政府が今のような曖昧な態度を続けている以上、
こういうくだらない騒ぎは永遠に無くならないだろう。

九条を守るためには、武器を所持した自衛隊のPKOへの参加をやめさせるべきである。
「武器不所持では危なくて行かせられない」というのなら、
自衛隊を行かせること自体をあきらめるしかない。

そうやって我々は、「自衛隊は絶対に海外では戦わせない」という日本のプライドを
世界に示すべきなのだと思う。もはや死語になりつつある「クール・ジャパン」が、
本当の意味で世界に浸透する日が来ることを私はいつまでも夢見ている。