とらちょはいつも私のそばに居たがるくせに、見送りも出迎えもしてくれなくて寂しく思っていた。
でも、今はしてくれるんです!
とらちょにとって、玄関は不審人物(客人)がやってくる鬼門のような場所。
ボールを追いかけて遊んだりするけれど、ドアの向こうには関心を示さなかった。
それが一度ゴミ出しに行く時、人に会わない深夜をねらって抱っこで連れて行ったら、
玄関の向こう側にも興味がわいてきたようだ。
動くエレベーターのドア窓を面白そうに見つめたり、
ゴミ置き場やエントランスなど、自分の普段居る場所とは違う雰囲気が珍しげだった。
何よりも玄関ドアの向こうにあるポーチでも遊べると知ったので、もう出たくってしょうがない。
幸い扉が付いていて逃亡の心配はないので、たまに出してやっていたら、
それ以降出かけようとするとすっ飛んでくるし、帰ってきてドアを開けるともうそこにいる。
ドアが開いてポーチに出るのを待ち構えているのだ。
一度大きな荷物を抱えて帰って来た時、部屋にとらちょが見当たらなくてびっくり。
探し回っていたら玄関の外から鳴く声がした。
荷物で隠れた足元をするりと出て行ったらしい。
それにいつも出かける時は、出たい出さないの攻防だ。
お迎えも見送りも、本当は外に出て行きたいから。
とらちょのいってらっしゃいにお帰りなさいは、美しい勘違い。
それでもなんだかうれしい。
フンフンフン… ここもボクの縄張りだぃ!