個人的に、子犬の頃から、老犬で最期まで、ビーグル犬を飼っていた自分としては、劇中最後の老犬の演出は卑怯としか、分かっていても、泣いてしまいます。 もう、この映画の全ては其処に収束されますね。
ホント、うちのビーグル犬もちっちゃな頃は元気よく走り回っていたのに、末期になると、如何にも「おばあちゃん」な風貌になって、昔みたいな、元気に走り回れなくなって、茶色と黒の毛も薄くなっていく姿を、映画での子犬から、最期まで、とを重ねて観て、、、これは、もう、犬を最初から最期まで飼った事のある人にとっては、卑怯としか言いようのない演出。 上記の経験のある人だったら、確実に泣けるかと思われます。
しかし、大型犬、飼うのは大変で、ちゃんと躾けないと、劇中の夫婦のようにマーリーに振り回されるのは、仕方ないかと。
人物描写の面では、ジャーナリストか、コラムニストか、で悩む40代、主人公の姿は、多少、苛つく面、なきにしもあらずですが、それがこの映画にリアリティを与えているかと思われます。 極々平凡な、現在に藻掻き苦しみ、今の幸せを求める普通の一夫婦って、描写が。
でも、やっぱり、自分も老犬になったビーグル犬を散歩させているとき、老いた背中を見ながら「死ぬなよ…」と、叶わぬ願いを感じたりしたので、もう、夕暮れ時に主人公の旦那と老犬マーリーが散歩している姿を見ているだけで、「けっ、所詮、映画じゃん、作り物だし」と分かっていても、ねぇ、泣くのでした。
映画のチラシに書いてあるキャッチコピー「キミも、ちゃんと幸せでしたか。」って、過去形なのが、何とも、、、