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再出発日記

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2007年01月01日
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カテゴリ:洋画(05・06)
昨年劇場で見た映画は、韓国で見た二本を加えて96本でした。その中から、厳選してベスト20を選ぼうと思います。

06年の映画興行は、久しぶりに邦画が洋画を追い抜いたらしい。実際ブロガーの中には「今年は邦画の豊作の年だ」という方も何人もいる。事実見るべき作品は何本かはあると思う。しかしそれでもなお、私としては今年の作品群を回顧して言わざるを得ない。

今年は近年まれに見る洋高邦低の年だった。特に、アメリカ映画で見るべき作品が多かった。

なぜそうなったのか、要因として考えられるのは以下の三点。
1.昨年以前の作品で素晴らしいのが今年岡山上映にずれ込んでしまったものが三点もある。そしてなおかつ、本来は来年の公開になるはずか、日本が舞台であるという理由で今年のスピード公開になった作品が二点ある。
2.9.11以降顕著になったハリウッドのCG多用忌避傾向が脚本重視に結びつくようになった。
3.秋の中間選挙を迎えて、アメリカ国民の間に現在の状況をきちんと批判的に見ようとする芽が出てきた。

9.11ショックから5年目にして、やっと洋画はそのショックから立ち直った。その結果が今年の洋画群なのだ。

よってベスト20の中にはアメリカ映画が圧倒的に多い。これでも厳選したのである。その一方で邦画はもとより、ヨーロッパ映画とアジア映画の不振は深刻だ。来年を期待したい。

そういうわけで、ベストワンはアメリカ映画の中から選ぶ。今回選ぶアメリカ映画はすべて甲乙つけがたい。そういう時は、作品の完成度よりも自分に与えた衝撃度の大きいほうが優先されるだろう。

ベスト1「スタンドアップ」私がセロンのファンだからでは、決して無い。まず最初に一人が立ち上がる。そのことの意味は限りなく大きい。セクハラ裁判の話ではあるが、私はそれのみには受け取らなかった。泣き寝入りをしつつあるすべての労働者よ、独りでも立ち上がろう。そして仲間を信頼しよう。

ベスト2は不振のアジア映画の中から選ぶ。しかしこの「ココシリ」だけは別格である。チベットの厳しい自然の中で撮影されたカモシカ密猟集団との死闘。社会性とエンタメ、ドキュメント的な具体性と神話伝説として語られてもおかしくない普遍性、反骨映画なのに中国各賞を受賞したしたたかさが往年のチャン・イーモウを思わせる。期待の新人が登場した。

ベスト3は礼儀として日本映画から。「かもめ食堂」日本映画の長所である日常生活の細やかな描写。フィンランドというとっぴな舞台を得て、毎日のおにぎりを握ることや、皿みがきや、身体運動や散歩が、すべて意味のある広がりを持った。

ベスト4「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」二部作。クリント・イーストウッドという頑固親父がついに立ち上がり、イラク戦争に反対する映画を撮った。この鋭さ。懐の深さ。この悲しみ。

ベスト5「亀も空を飛ぶ」イラクのクルド人監督バフコマン・ゴバディの作品を初めて観た。今も続く泥沼のイラク戦争。それなのに今から考えると奇跡のような時期に撮影されたイラク北部を舞台にしたイラク戦争を批判する映画。具体性と普遍性を併せ持った、子供の目を通してみたイラク戦争。

ベスト6「イノセントボイスー12歳の戦場」ほんの20数年前のラテンアメリカの現実。子供たちが直面する厳しい運命。一般家屋の中で内戦の流れ弾が飛び交い、そこで歌われるラテン音楽の叙情。

ベスト7「博士の愛した数式」数式から世界と人生の秘密を探る。素晴らしい原作を見事に換骨奪胎した小泉堯史監督の力量。この映画と能の関係についても話題を読んだ。

ベスト8「グエムルー漢江の怪物」今年の夏、韓国を一周する旅行をしている間、公開してから二ヶ月以上近くたっているのにこの映画がずーと映画館の一番大きい看板を占め、客を集めていた。漢江の怪物とは実はソン・ガンホのことである、というのが私の「説」なのだが、いまだその説は数多ある批評の中では無視されている。いいのだ。その説が、そのように星の数あるブログの中で不気味に存在することが、この映画の批評にふさわしい。

ベスト9「ナイロビの蜂」原色のアフリカの映像と青が基調の西側国連職員の生活との対比、それが中盤に入って国連職員自体がアフリカの現実に入っていく中で変わっていく。そして亡き妻への愛情に気がついていく。社会性と愛情物語を統一させた見事なラスト。(←これも私の説です)

ベスト10「ミュンヘン」ユダヤ人であるスピルバーグの9.11総括。暴力の連鎖に対する明確な批判。この力技は凄い。

ベスト11「白バラの祈り」ナチスに早い段階で抵抗し、殺された学生組織の話。逮捕されるまでのドラマ、取調官との対話劇、処刑に至るまでの緊張した心の動き、見ごたえがあった。

ベスト12「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」 CG全開、外国ロケ満載、有名俳優の起用、の前にまずアイディアとセンスありき。大作とはこうでなくちゃ。

ベスト13「武士の一分」藤沢時代劇三部作の最後。これはいまどきの若者風の主人公が、武士の一分に拘っていた自分を克服する、いわば一分を否定するまでの物語である。(←これも私の説)

ベスト14「 Vフォー・ヴェンデッタ」 アメリカと共同歩調を取ったイギリスはこの十数年夜警国家を完成させてきた。そういう現実に対するプロテクト映画をエンターテイメントとして作っているのが凄い。おりしもこの映画がヒットしている頃、日本では共謀罪が強行採決の危機を迎えていた。かろうじて回避されたが、そういう現実が日本にもあると知りながらこの映画を観ると、さらに怖い。

ベスト15「ホテル・ルワンダ」エンタメというと、この映画も社会性とエンタメを見事に融合させていた。インターネット上の上映運動(私も一筆参加)が実を結んだ例としても記憶に残したい。最後の歌は今年の主題歌賞もの。

ベスト16「ニューワールド」文明から原始共同体へ、原始共同体から文明へ。その体験を映像と音楽で雄弁に語る。素晴らしき映像体験。あまり話題にならなかったが注目すべき作品。

ベスト17「スーパーマン・リターンズ」スーパーマンは還ってきた。父(神)の言葉を実践するために。しかし、この「神」はブッシュ大統領の信奉する神ではない。慈愛に満ち、市民の自立を期待する神だ。アメリカの神はやっと自らの役割を思い出した。アメリカ人はこれからも模索しながらヒーローを追い求めるだろう。

ベスト18「クラッシュ」単なる脚本家ではないことを示したポール・ハギス。多人種社会の中で、中盤の事故の「触れ合い」があまりにも素晴らしい。

ベスト19「スピリット」武道精神の見事な映像化。こんなに泣かされるとは思わなかった。

ベスト20「フラガール」見事な役者魂を見せてくれた。

ほかに、「グッドナイト&グッドラック」「カポーティ」「トゥモローワールド」「単騎千里を走る。」「トンマッコルへようこそ」「紙屋悦子の青春」「手紙」「デスノート後編」「虹の女神」「空中庭園」などが注目すべき作品として残った。









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最終更新日  2007年01月01日 23時39分53秒
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