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再出発日記

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2009年05月25日
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カテゴリ:邦画(09~)
NHK『遥かなる絆』を見終えた。『大地の子』から14年、同じく岡崎栄演出でまたもや名作が生まれた、と思う。先ずは演出家の話を読んでほしい。作品紹介にもなると思う。

遥かなる絆.jpg
【演出にあたって…岡崎 栄】

 中国東北部の頭道河子という村を、脚本家の吉田紀子さんも一緒のシナリオハンティングから始まって、都合3回訪ねました。牡丹江市から北へ車で1時間半、畑や田圃の広がる中、丘陵を縫うように走る砂利道を通って村の外れの牡丹江の岸辺に立つ時、いつもふと“人間の運命とは”と考えさせられてしまいます。
この村に4歳から10数年(28歳で帰国したわけですから、24年と言った方が正しいのかもしれませんが)、中国名・孫玉福として生きた城戸幹さん。よくこんな所にと、言葉を失って立ち竦むのです。そして、あらためて幹さんを慈しみ育てた養母・付淑琴さんの深い愛を思います。以前作った「大地の子」は、背景に残留孤児の方々の苦難の物語はありますが、実際は山崎豊子さんが綿密な取材の上に作り上げた壮大なフィクションでした。しかし「遥かなる絆」は、ドラマですから完全に事実ではないとしても、真実の話です。1970年の幹さんの帰国の時、発車間際の列車の傍で泣き崩れ、「玉福、行かないで!」と叫ぶ義母。淑琴さんの姿は、淑琴役の岳秀清さん、玉福のグレゴリー・ウォン君、そして中国人俳優たちの迫真の演技があったからということもありますが、それでも目の前に展開されている情景は旧満州で何度も何度も繰り返されてきた悲劇です。私たちは、酷寒のマイナス20度という厳しい条件の中でしたが、その事実の現場に今自分たちも身を置いているという身震いするような感動で撮影を続けていました。
これ以上は申し上げません。舞台の間隙を縫い、ある時は地方公演の金沢から友人の運転する車で松山ロケに駆けつけてくださった加藤健一さん、原作者・城戸久枝さんの役で母国語のように中国語を駆使しなければならないという難役に、心の壁をときほぐす繊細な表現で感動を盛り上げてくれた鈴木杏さん――。
今、このドラマをご覧いただけることに、私たちは誇らしささえ感じております。

遥かなる絆1.jpg
第二回目の放送で、城戸幹の娘久枝さんが中国の大学に留学しているとき、クラスメイトから『久恵は日本の中国侵略に付いてどう思うのだ』『日本鬼子は許せない』『久恵に言っても無駄だよ。日本では歴史を教えていないんだ』と詰られ何も言えずにショックを受ける。そして、最終回、二年の留学を終えたときに、やはり同じようなことを言われる。そのとき久枝はかろうじてこのように言うのである。
『確かに知らないかもしれない。それに私は歴史の専門家でもないし。でも、私なりに知ろうとして、中国に来て勉強しているの。そんな日本人がいるということを知ってほしい』久枝さんは思う。(苦し紛れに反論しても、何の解決もしない。私が責められているわけではない。でもここには私では解決できない、大きな壁がある)大きな壁とは何か。それはひとつはいまだに『真の謝罪』をせずに何度も不規則発言を繰り返す政府高官の住む日本という国なのだろうし、同じアジアにいながら、まだ腹を割って話し合うまで成熟していない両国の国民通しなのだろう。

これは激動の人生を生きた城戸幹の物語であるのと同時に、現代中国の若者と、現代日本の若者との交流の物語なのである。
久枝さんは思う。
「『日本人が憎い、歴史を曲げている』と詰め寄る中国人もいれば、惜しみない愛情を注いでくれるお父さんの親戚友人たちもいる。どちらも中国なのだろう」

ハングルだけでなく、いつか中国語も学んで、中国の人たちと交流したい。東北アジアの平和が、未来の平和な世界を作ると私は思っている。





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最終更新日  2009年05月25日 23時52分51秒
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