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第7官界彷徨

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2014.07.25
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カテゴリ:読書日記

 近所で苗を頂いた、小花のミントです!名前が分からないのだけど、アップルミントでもレモンミントでも、パイナップルミントでもない。

 昨日7月24日は、芥川龍之介の「河童忌」だったので、有名だけどあまりちゃんと読んだことのない「河童」を読んでみました。

 「八月の六日間」の「わたし」も行った上高地の梓川で河童と出会うことから話が始まるのだけど、芥川は1909年(明治42年)の8月に、府立三中=現都立両国高校の頃、穂高や槍を目指したらしい。

 穂高を目指し梓川のほとりを歩いていた『僕』は、霧の中で河童に出会います。飛び掛ってつかまえようとする・・・って所がちょっと理解できない。今だったら自然保護のために観察するくらいじゃないでしょうか?

本文=(河童の背中に指先が触ったと思うと)僕はあっと思ふ拍子にあ上高地の温泉宿の側に「河童橋」と云ふ橋があるのを思ひだしました。それから・・・・それから先は覚えてゐません。=

 気を失った僕は、河童の世界に住むことになります。医者の河童、チャックの隣に「特別保護住民」として小さい家を与えられます。

 「河童」は芥川の代表作といわれていますが、教科書にはなかったし、どこでも取上げられていないのは、その「寓話的」お話の内容が、子ども、学生向けではなかったからかもね。

 お産のときは父親が「お前はこの世界へ生まれて来るかどうか、よく考えた上で返事をしろ」といいます。おなかの赤ん坊は「僕は生まれたくありません。」なんていいます。

 河童の町のポスターに「遺伝的義勇隊を募る!健全なる男女の河童よ!悪遺伝を撲滅するために、不健全なる男女の河童と結婚せよ!」というのを見て、僕は「人間ではこんなことはありえない」という。すると若い河童は

「あなたがた人間の義勇隊よりも、・・・・一本の鉄道を奪ふために互いに殺しあう義勇隊ですね・・・ああいう義勇隊に比べれば、ずっと僕たちの義勇隊の方が高尚だ」と云う。

 僕は若い河童から「時に君は社会主義者かね?」と聞かれる。僕はもちろん「qua(河童の言葉で「然り」)と答える。

 それから僕はその河童の詩人トックとともに「超人倶楽部」に行きます。そこは詩人、小説家、画家、音楽家など芸術家の集まりです。音楽界にも出かけます。そこでは、警官が「演奏禁止!」を叫び、観客が「警官横暴!」「弾け、弾け!」「負けるな!」などと叫び大混乱になります。

 また、素晴らしい新型印刷機を導入した会社にも行きます。そこでは新式の印刷機の導入で解雇される職工河童が四、五万匹を下らないといわれ、ある会社の経営者の晩餐会で失業した職工の行方をたずねると、彼は

「その職工をみんな殺してしまって、肉を食料に使うのです。ここにある新聞をごらんなさい。今月は6万4769匹の職工が解雇されましたから、それだけ肉の値段の下がったわけですよ」僕「職工は黙って殺されるのですか?」彼「それは騒いでも仕方ありません。職工屠殺法があるのですから」と答えます。

 彼「つまり餓死したり自殺したりする手数を国家的に省略してやるのです。あなたの国でも第4階級の娘たちは売笑婦になっているではありませんか。職工の肉を食うことなどに憤慨したりするのは感傷主義ですよ。」

  そこで「河童全体の利益」を標榜する政党の党首ロッペの演説を聞きます。

彼「あの演説はことごとく嘘です。が、嘘ということは誰でも知っていますから、畢竟正直と変わらないでしょう。それを嘘というのはあなたがたの偏見です。ロッペは党を支配している。そのロッペを支配しているのは新聞社社長のクイクイです。しかし、クイクイを支配しているのは、あなたの前にいる私です。」

僕「けれどもその新聞は労働者の味方をする新聞でしょう。その社長もあなたの支配を受けているというのは・・・」

彼「あの新聞の記者たちはもちろん労働者の味方です。しかし記者たちを支配するのはクイクイで、しかもクイクイはこの私の援助を受けずにはゐられないのです。」

★という、なんともやるせない、昭和2年の芥川の作品「河童」でした。こういう話なんだ~!
古くて新しいところが不気味ですね。「職工屠殺法」だって!「政治家の嘘は誰もが嘘と知っているから嘘ではない」って!

 

 

 

 






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最終更新日  2014.07.25 15:08:17
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