今日は6月の晦日、早いもので1年の上半期?が終わってしまいました。この半年の穢れを払うのが夏越の祓。今日は神社に行って茅の輪くぐりなんかを してきたいな、と思い出かけたのですが、茅の輪はなかったので、人形(ひとがた)に名前を書いて息を吹きかけてお祓いをお願いしてきました。「千と千尋」 で、「はく」を追いかけて来た沢山の白い紙の人形・・・キャー!
この半年を思うと、何も得るものがなかったような気がするけど、まあ大したこともなく過ごせたことで良し!とすべきなのかな。
では、困難にもめげず明るい方ばかり向いていた、清少納言なぎ子ちゃんの「枕草子」の6月のつごもりの記述を・・・。
しかし、これは旧暦なので今年だったら8月2日が旧暦の大祓となります。父君が亡くなり道長の娘彰子に権勢を奪われてしまった定子さま。物忌みということ で方違えしたのは時を告げる「時司」の場所。狭くてムカデなどの出る場所だけれど、暑くて薄着の女房達が寝ているところに毎日殿上人たちが入れ替わりやっ てきて、定子サロンは賑やかなのでした。
「枕草子」156段
故殿(ことの)の御服(おんぷく)のころ、六月のつごもりの日、大祓(おおはらえ)といふことにて、宮の出でさせ給ふべきを、職の御曹司(しきのおんぞ う し)を方あしとて、官の司の朝所(あいたどころ)に渡らせ給へり。その夜さり、暑くわりなき闇にて、何ともおぼえず、狭くおぼつかなくて、明しつ。
つとめて、見れば、屋のさま、いと平に短く、瓦葺(かわらぶき)にて、唐(から)めき、様異(さまこと)なり。例のやうに格子(こうし)などもなく、めぐりて御簾(みす)ばかりをぞ掛けたる。なかなか珍しくて、をかしければ、女房、庭におりなどして遊ぶ。
前栽(せんざい)に、萱草(かんぞう)といふ草を籬(ませ)結ひて(ゆいて)いと多く植ゑたりける花の、きはやかにふさなりて咲きたる、むべむべしき所 の 前栽には、いとよし。時司(ときづかさ)などは唯かたはらにて、鼓の音も例のには似ずぞ聞ゆるを、ゆかしがりて、若き人々二十人ばかり、そなたに行きて、 階(はし)より高き屋に登りたるを、これより見上ぐれば、ある限り薄鈍(うすにび)の裳(も)、唐衣(からぎぬ)、同じ色のひとへ襲(がさね)、紅の袴ど もを着て登りたるは、いと天人などこそえ言ふまじけれど、空よりおりたるにやとぞ見ゆる。同じ若きなれど、おしあげたる人はえまじらで、うらやましげに見 上げたるも、いとをかし。
☆時司の梯子に上って若い女房達がはしゃぐ姿もまるで天女のようで、にぎやかに楽しいものなのでした♪
この後、女房たちはもっと大騒ぎしてその辺の椅子などの調度を壊したりしてしまいます。
当時はなかったのですが、夏越の祓にはお菓子の水無月がつきもの。葛や小麦粉を蒸した上に、鬼を追い払う小豆を乗せたものです。三角に切るのは「刃物」の形らしい。神社の近くの老舗和菓子店に行ってみたのですが、無かったので家で作ることにしました。今、小豆を煮ているところ♪