国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」2日目、
南相馬市原町区のなんと通りの名前も"野馬追通り"を3km先の雲雀ヶ原祭場地へ向けて、
400騎以上の騎馬を含むお行列がひづめの音を響かせ進軍します。
自分の郷が滞りなく進んでいるかどうか馬を自在に操って行き来し確かめる騎馬武者。
わーい!ときどき大きなばん馬もやってきます!武者を軽々と乗せてますね。
近くでお年寄りたちが
「昔の行列はみんな家で働いてる農耕馬だったんだよ。今はトラクターになって居ないけど」
と懐かしそうにばん馬を見ながら話していました。
だとすると、この大きなばん馬たちはどこからやって来たのだろう(ワクワク
地元の人が知ってる顔を見つけて「〇〇さ~ん」と声援を送るのにちゃっかり便乗して
その横で「がんばれ~、馬ぁ~」と笑顔で手を振ってたら、
知り合いの知り合いと思ったか取りあえず笑顔を向けてくれる騎馬武者さんがいたり、
「で、えっとー、誰でしたっけ?」と馬上で 恐怖に 固まる騎馬武者さんがいたり・・・ ゴメン。
いやー、私の顔に驚いて落馬する人が出なくて本当にヨカッタ。
地元に根ざし溶け込んでいるお祭り(神事)だけあって知り合いが何人かは参加しているようで
「あ、〇〇さんだ」とか「〇〇ちゃんが来た!」という声がそこかしこで聞かれました。
騎馬武者の皆さんご注意を!怪しく手を振るナンチャッテ地元民が紛れ込んでいます・・・うひひ
中ノ郷(南相馬市原町区)、小高郷(南相馬市小高区)、標葉郷(浪江町・双葉町・大熊町)、
そして北郷(南相馬市鹿島区)と宇多郷(相馬市)の順に続く壮麗なお行列が、
陣太鼓と螺(ほら)役の合図で止まり隊列を整えながら進んでいきます。
くっ、首のあたりが逞しい・・・
浪江町・双葉町・大熊町を包括する標葉郷の陣は、原発避難区域等の影響を被り
他の郷より更に避難先など遠くから馳せ参じた人馬が多かったのではないでしょうか・・・
このあと行われる「甲冑競馬」「神旗争奪戦」を観戦すべく、
人・ひと・ヒトで大混雑の雲雀ヶ原祭場地へ徒歩で移動し人の流れに従って歩いていると、
おお~っ!視力0.3裸眼暮らしで義兄が目の前に立っていても気づかないことがあるのに、
見~っけ!テレビで何度も拝見したことがある+録画して何度も見ている
岩手県遠野市の馬搬(ばはん)の馬方(うまかた)さん!(遠野では"地駄引き"とも言います)
馬搬=馬と人が山から木材を運ぶ作業。今はもう数人しか残っていません。
ロレックス/ROLEX 「日本列島 知恵プロジェクト」のHP、内容が濃いわぁー
歩きながらなぜかこのトラック ↑ にばかり目線がいってたんですよ、不思議不思議。
ここでも「お会いしたかったんです~!」と駆け寄り驚かせてしまいました(汗
だって日本でいちばん会いたかった人といっても過言ではないくらい♪
何でもはるばる岩手から、自分たちが甲冑を着て参加するわけではなく、
相馬の野馬追の武者に乗ってもらうため暑い中48頭もの馬を連れてやって来たそうです。
そうかー、あの大きなばん馬たちの出所はやっぱり岩手であったか。
相馬で暮らしていた370頭余の馬のうち半数以上の200頭余が震災で亡くなったそうです。
こんな繋がりも生まれました:「警戒区域の馬8頭救出、岩手で感謝の野馬追行列」
「うちの馬、帯広のばんえいで走ってたんだよ。見ていいよ」と馬運車を覗かせてくれました。
そしたらもう、顎から汗をポタポタ垂らしながら穏やかにこちらを見つめるあのつぶらな瞳。
猛暑に怯まず岩手から来たのか、帯広に居たのか、そしてこの人混みの中で会えたんだ、
そう思ったら泣けそうになったので、そしてずっとここに居てしまいそうだったので、
「札幌に戻ったらニンジン送りますっ!」と手を振ってこの場所を離れました。
(ニンジンの産地・富良野に電話したら「収穫できしだい発送します!」とのことでした。もうちょっと待っててね)
それにしても、相馬の神様は伊達なはからいをなさってくださるなぁ・・・
お行列の馬の前を横断するのは危険だから絶対に止めるようにと警察官が叫んでいるのに、
大人ならちょっと考えりゃ言われなくてもそれくらい分かるだろうに、
騎馬武者のすぐ前を横切ったNikonの一眼レフバリバリな東京っぽいオバチャンがいてさ、
危険行為を諌めるため大声で注意しながら馬で何百メートルも追いかけることがあると聞いていたので、当のオバチャンはニヤニヤ立ち去ろうとしていたんだけど、
慌てたのはそれを目撃した地元民とナンチャッテ地元民の私。
睨みつけ今にも追いかけ出しそうな騎馬武者さんに「申し訳ありません、今日のところは」
とか「私の方から注意しておきますから」とか「まぁまぁここのところは」と詫びること暫し、
なんとか騎馬武者さんの恩情で事なきを得ました。
へ?そのオバチャンはどうしたかって?「何やってんの?」って感じでとっとと立ち去りましたよ。
うーん、思い知らせるためにも追いかけられたほうが良かったのかも。
馬は急に止まれませんし、大勢の警察官が「横断しないで下さい!」と叫んでるのにさ。
後から「あいつのカメラ壊れろ。もしくは電池切れろ。またはSDカードのデータ消えろ」
と念じたのは言うまでもありません。
君の肩の向こうに 守り続ける決意が見えた 悲しみの翌年の夏