ジェロが切々と歌い上げる演歌「海雪」でお馴染みの出雲崎にて、
セイタカアワダチソウと「妻入りの街並み」越しに日本海を望む。
(余談:「セイタカアワダチソウが花粉症の原因」というのは間違いなんですって)
「妻入り」とは三角の切妻屋根の端(面の狭いほう)=「妻」の部分に入り口がある建物。
出雲崎町は日本海沿いに「妻入り」の建物が道路に直角に4kmも並んでおり、
その長さは日本一だそうです。
こちら北方向にも細長い妻入りの屋根が続いていました。
江戸時代の出雲崎は徳川幕府の直轄地(天領)で佐渡の金銀の陸揚港や
北前船の発着の港として栄え、なんと!越後地方で一番人口密度が高かったとか。
海に向かって見ると細長い屋根の家がぎっしりと密集しています。
北国街道の宿場町だった出雲崎はこの地方の政治・経済・文化の中心としても栄えました。
日本海に山が迫る狭い土地に多くの人が居住できるように、
間口が狭く奥行きの長い「妻入り」の家が建てられたそうです。
それにしても奥行きが、あ~
もうひとつ、当時は間口の大きさによって税金が掛けられていたらしく、
そのことも間口が狭い家が建ち並んだ理由なのかもしれません。
本当に、車庫ぐらいの幅で家々が連なっています。
あ!忘れてた!「妻入り会館」に立ち寄り妻入りの街並みのことを教えてもらったとき、
「出雲崎の四季フォトコンテスト」があるから出品してみてって言われたんだった。
締め切りは10/20でした、ごめんなさい。
たまーに生活感漂う路地もあり、
丹精こめて育てたのだろう菊が見事に咲き誇る家もあり、
「観光地」というより「みんなが暮らしている町」って感じが素敵です。
もー、この看板の「うまい酒」が気になって検索してビックリ。
「うまい酒 勇躍」って合同酒精(現オノエングループ)のお酒だったらしく(今はもうない)、
合同酒精って旭川で「ゴードー」って焼酎作ったりしてる会社でして、
(あ、小樽の「北の誉」も驚いたことに2007年からオノエン傘下です)
なまら美味い日本酒だらけの新潟に乗り込んだ勇気は認めますが・・・
人気のレトロな昭和の看板にもかかわらずこんな扱いを受けるのも仕方ないわなー(笑
「勇躍(合同酒精)」の「ぐっすりねちゃった」というCMソングもあったそうです。
ダンディーだった益田キートンさんが歌うその歌詞は、
ぐっすりねちゃった
パッチリ目がさめた
やっぱりお酒は勇躍
CD「日本酒コマソン大全:VERY BEST OF」に収録されていてAmazonで試聴できます。
とある妻入り家屋の出入り口前のピンクの草、
取り払わずにそっとしてあるのかもしれませんね。
おっと、自転車屋さんの横にホンダ スーパーカブ50DX。
ツレに見せたら「俺が修理する!」とフェリーに飛び乗り新潟へ向かいかねません(笑
それはそれでいいと思うんだけど。彼、今年はバイクに乗る時間さえありませんでしたから。
もしも一人旅でバスだったらここで降りたのかな。
あの赤信号が青になったら、日本海へ進む道が開けるのかもしれない。
(モノクロフォーカルで信号の周囲にだけ色を残し他は白黒にしてみました)
そうそう、出雲崎は良寛や芭蕉ゆかりの町でもあるそうです。
息子がクルマを停めていた漁港横の駐車場に戻る途中、
漁師小屋の中で作業をする漁師さんたちの横を通りました。
(別行動の息子は出雲崎のすっごく混んでる道の駅「天領の里」を探索していたそうです)
でももう使われていない漁師小屋もあり・・・
主をなくして荒れた漁師小屋の向こうには曇り空とおんなじ色の日本海。