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2009.08.04
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カテゴリ:book

「厭だ」 から始まる短編連作が七話。
子供、老人、扉、先祖、彼女、家、小説。
全編を貫くのは、厭な上司亀井と部下の深谷。

筒井康隆の短編に酷似している。が、さほどハチャメチャではない。
改行多くて、会話文も短く、2行に渡る文はほとんどない。
厚みのある割には、あっという間に読める。
分厚いけれど、驚くほど軽い。ハードカバーのペーパーバック紙。

いや~な感じの話ばかりなのに、すいすい読まされてしまう。
理不尽で、不幸で、酷く、辛く、気味悪いのに止められないのは、
どこかしら滑稽で可笑しみがあるからか、単にのぞき趣味か。
でてくる「厭」は意外と共感部分多い。誰もが厭と思うはず。

「厭」の字は、「嫌」の数倍イヤなカンジがする。
汚いよりも穢い、死体よりも屍体がよりディープな空気を醸すような。
過る、滾る、首肯く、剰つ、熟す(こなす)・・・いかにも京極さん。
こういった漢字遣いの文章は嫌いでない、むしろ好き。
それ相応の手練の文章でないと、そぐわないのがミソ。

性悪ジジイが書いたようなひきつった筆字のタイトル、背表紙読めない。
煮染めたような茶色でまとめた装丁に破れ偽装で、古本風。
ページの周りはホコリと湿気がにじんだかのような鼠色ボカシ。
細部にこだわる京極スタイルは一見一読の価値あり。



     





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Last updated  2009.08.04 23:46:11
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