資源の高騰
昨今のガソリン価格の上昇でも分かるとおり、 原油価格は、最高値を更新しつつ高騰を続けています。 銅線ケーブルや工事用鉄板の盗難事件まで起きているように、 世界の資源相場では、原油のみならず、金・銅・鉄鉱石なども高騰を続けています。 いったい何が起こっているのか? この資源相場の高騰は一過性のものではなく、 いろんな要因で乱高下があったとしても、 長期トレンドは明らかに高騰へと向かっていくでしょう。 なぜなら、 地球人口の43%を擁するBRICs諸国などが大幅な経済成長を遂げつつあるため、 世界の資源需要が爆発的に高まっているからです。 これまでも原油価格の乱高下はありましたが、それらはおよそ、 中東の軍事的緊張など産油国の地政学的リスクによるものでした。 しかし地球上では、資源の確保を求めた奪い合いが起ころうとしています。 今はその序章にしかすぎないでしょう。 今後、世界の資源需要は加速度的に拡大してゆくと考えられます。 BRICsの中でもとりわけ、中国(人口11億)とインド(人口13億)が 本格的発展を遂げようとしているからです。 日本のような先進国に比べれば今はまだ経済水準は低く、 彼らのエネルギー消費はわれわれの数十分の一ですが、 これらの人口大国が今のような高度経済成長を続けやがて生活水準が上昇すれば、 消費エネルギーはさらに爆発的に増えると思いませんか? 一方で、地球の資源には限りがあります。 現在発見している原油埋蔵量を、現在の技術で現在の生産量採り続けていくと、 可採年数はおよそ40年とされています。 原子力エネルギーや、太陽熱や風力といったエコエネルギーなどへの転換は、 単に美しい地球を守るなどといった漠然としたモラルなどではなく、 人類の在り方に関わるリアルに迫られた問題です。 それは、いつか訪れる遠い未来のフィクションでは決してありません。 少し長いスパンで自分たちを俯瞰すれば見えてくる、人類の状況だと思うのです。 ~ 北米第5の都市 カナダ・トロントにて ~ 一部の先進国だけでなく世界中が、 こんな光景へと猛進している