地球が見たい！　　　　　―　it's my life　―

[列島紀行　　北アルプス] カテゴリの記事

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  一期一会

  　　　　　先月の北アルプス山行、その常念岳から蝶ヶ岳へ向かう稜線で、　　　ある年配の婦人と出会った。　　　還暦を迎えるかどうかという感じの方で、　　　すらりとした華奢な身体に、水色のザックを背負われていた。　　　朝に常念小屋を出てから、どこで最初に会ったのか憶えていないけれど、　　　休憩したり写真を撮ったりしているうちにペースが重なり、　　　ルート上で抜いたり抜かれたりしながら、何度もその女性に会った。　　　ひとりで旅をしていれば、見ず知らずの人と話すことが多いが、　　　山でもまた、そこで出会う自分と同じような登山者に対して、　　　独特の連帯感と好意を抱いてしまう。　　　山小屋に着くころには、いろんな話をしていた。　　　その方に伺った話・・・・　　　40年ぶりの北アルプス。　　　燕岳から蝶ヶ岳に至る、3泊4日の常念山脈の縦走。　　　　　　40年前、病気を患い身体が弱く、もう生きてゆくことが辛かった。　　　投げやりな気持ちが芽生え不安も多いなかで、そうだ、山に登ろうと思い立った。　　　登山経験は全くないけれど、半ばやけもあっていきなり槍ヶ岳を目指すことにした。　　　親友のお兄さんが登山をする人で、その人に頼んで連れて行ってもらい、　　　非常にこわい思いをしながらも、それでも夢中で登り切ったそうだ。　　　その後、関西の低山に登るようになり、　　　やがて比良山系で、いまのご主人に初めて出会う。　　　ご結婚されてからはご主人が好きな南アルプス方面に行くことが多く、　　　それ以来北アルプスに来ることはなかったそうだけれど、　　　いま40年ぶりにこうして、あの槍ヶ岳を眺めている。　　　かつての記憶を辿っているのか、その遠くを見つめるような槍へのまなざしに、　　　いったい何を思い出されているのだろうかと思った。　　　この40年間、どんな人生を送られてきたのだろうか？　　　その人当たりのよい物腰のやわらかさからは、　　　幸せだったと思っているんだろうなぁという印象を直感的に受けたが、　　　ただ槍をじっと見つめるその姿に、誰にだって大変なことはあるのかなぁとも思った。　　　幸せを感じながら振り返ることのできる人生があるのはいいものだと、　　　最近感じるようになった。　　　　　　俺は、自分の内にある問いや、あるいは飢えや渇きのようなものに向き合い、　　　なるべく正直にそれを追い求めてきただけなのだけれど、　　　それは、煉瓦が順番に積み重なってゆくようにして、俺の人生を成している。　　　このさき10年、20年と、　　　俺は何を追い求め、いったいどこに辿り着くのだろうか。　　　ただただ、あぁ俺は人生を生き尽くしたぞ！と思えるほど、　　　情熱のままに駆け抜けたい。　　　今ここにあるよりもさらに深い充足感で人生を振り返られるように、　　　　　　やがて来る死を感じながら、いかに生きるかだけを見つめていたい。　　　　　　蝶ヶ岳ヒュッテに着いて、一緒に槍ヶ岳に振り返った。　　　　　　ご近所の奥様方たちからはいろいろとサークルに誘われたりもするが、　　　徐々にハードな山行はできなくなるだろうから、　　　身体が動く今のうちに、もっともっと山に登っておきたいそうだ。　　　年齢を重ねられたからなのか、それとも元来の人格によるものなのか、　　　この方もまた、死を感じつつなにかを選び取るようにして、　　　限られた時間を生きているのだなぁと思った。　　　どうも俺は、自分よりも年配の方のほうが話をするのが楽しい。　　　これもまた、偶然の紡ぎだす、我が人生の一期一会。　　　　　　　　　　　　　（注）　掲載したすべての写真および文章の著作権は、　　　　　　　　　　　　　　　私chikyuujinにあり、一切の転用を禁止します。

  2007.09.11

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  楽しくて仕方ない

  　　　　　　　　常念岳・蝶ヶ岳　縦走記 　　　　　　　[ vol. 1 ]　　沢沿いの世界　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 2 ]　　雲上のトレッキング　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 3 ]　　蝶ヶ岳　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 4 ]　　惑星をめぐるドラマ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 5 ]　　楽しくて仕方ない　　　[　常念岳・蝶ヶ岳　縦走記　　　vol. 5　完結編　]　　　　　　最終日の予定は蝶ヶ岳を下山し関西に戻るだけであり、　　　しかも三股登山口まで降りる標準コースタイムは 4時間ほどだから、　　　特に出発を急ぐ必要もなかった。　　　星空と御来光を堪能したのち、5時半に朝ごはんを食べてからはゆっくりと、　　　山荘スタッフの方が撮られた山の写真のアルバムを見たり、　　　宿泊者が思い思いにコメントを書き込んできた歴代の落書き帳を見たりした。　　　給水タンクのコックをひねって、1リットル150円の水を昨日カラになったペットボトルに注ぎ、　　　さらに500mlボトル1本500円のポカリスウェットを 2本買って、あらたにザックに詰めた。　　　準備ができると、ヒュッテ近くの 「 瞑想の丘 」 までまた歩いていって、　　　槍と穂高のよく見える斜面に腰を下ろした。　　　今日も、空がやけに青い。　　　　　　稜線を離れ下り始めると、西側のこの槍穂の展望はもう見えなくなる、　　　そこで、もっとここでいたいなぁという思いにまかせ、　　　ザックも放り出し登山靴も脱いで、この景色をたっぷり堪能することにした。　　　俺は、頂上制覇を目指すだけのピーク・ハンターでもないし、　　　踏破タイムを気にする山岳アスリートでもないのだ。　　　ここに座り、地球を感じ、自らと対峙することにこころを集中しよう。　　　ヒュッテに泊まっていた人たちはどんどん出発していって、最後に残ったのは、　　　俺と、少し離れたところに同じようにいる一組の若いカップルだけとなった。　　　そのカップルは、携帯コンロとコッヘルを出してなにやら沸かしている。　　　ここで飲むスープやコーヒーは贅沢だよなぁと思った。　　　俺は荷物を少しでも軽くするためにコンロやコッヘルは置いてきたけれど、　　　今度山に来るときは、やはり持って来たいものだなぁと思った。　　　やがて彼らも出発し周りに誰もいなくなると、稜線にはただ静けさだけが残った。　　　やわらかい陽射しのなかで、聞こえてくるのは時折どこかで鳴く鳥のさえずりだけであり、　　　動くものはただゆっくりと流れる片雲のみであった。　　　ほんとうに静かに、時が流れていった。　　　地球には、こんな時間がいくつもいくつも流れていったのであろう。　　　　　俺は壮大な景色が好きだ。　　　ここは宇宙の片隅の、とある惑星なのだと感じられる光景が好きだ。　　　それはいつも俺を、ただの人間、ただの生命に立ち帰らせる。　　　そんな光景を前にするとたいてい俺は、　　　過去にそこに存在したであろうシーンを、いくつもいくつも想像する。　　　太陽は何度も昇り、この谷を越え、向こう側へと沈んでいっただろう。　　　夜が訪れ星が頭上に輝き、月光が静かに山嶺を照らしただろう。　　　たくさんの雲がやって来ては、たくさんの雨を降らせ、また去っていっただろう。　　　谷は、やがて鮮やかな紅葉へと染まり、そして冠雪し白銀の世界となり、　　　雪解け水を沢に流しながら再び、新緑につつまれる。　　　地球はぐるぐると周り、いくつもの季節が通り過ぎていく。　　　そんな滔々と流れた時間の末に、今この瞬間が、この光景がある。　　　俺は、かつてここにあったシーンを想像することで、　　　目の前のこの世界がいったい何なのかを捉え、　　　自分という存在がどういった文脈のなかで生まれてきたのかを想い、　　　自分が手にした人生の時間がいったい何なのかを、理解する。　　　　　こんなところで満天の星空を眺め、こんなところで鳥のさえずりを聞いていると、　　　山に来てまだ3日しか経っていないというのに、　　　あの街の喧騒はいったい何なのだと感じるようになる。　　　もちろんすべて地球の姿なのだけれど、　　　かつて流れ、そしてこれから流れる宇宙の膨大な時間を思うと、　　　共同幻想的な社会通念など、泡沫の夢のように思える。　　　少なくとも俺は、ここが惑星であることを感じて生きていきたいと思った。　　　そして、ただの地球人であることを忘れずに生き、　　　ただの地球人として死んでいきたいと思った。　　　　　何度も何度も振り返りながら、稜線を離れた。　　　ふたたび森の中へ入り、標高を下げてゆく。　　　生命のざわめきのなかを、またたっぷりな時間を使って歩いた。　　　一歩一歩が、楽しくて楽しくて仕方なかった。　　　肉体のほどよい疲労とともに気力は充実し、　　　こころの奥に広く横たわる、生きられることへの喜びにつつまれながら、　　　ふたたび喧騒のなかへと帰って行った。　　　　　　　　　　　　　　　最も長く生きた人とは、　　　　　　　　　　　　最も多く呼吸した人ではなく、　　　　　　　　　　　　最も生を感じた人である　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ルソー　　　『　エミール　』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（注）　掲載したすべての写真および文章の著作権は、　　　　　　　　　　　　　　私chikyuujinにあり、一切の転用を禁止します。

  2007.08.17

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  惑星をめぐるドラマ

  　　　[　常念岳・蝶ヶ岳　縦走記　　　vol. 4　]　　　午前 4時に起きだして、　　　ライトを片手に 「 瞑想の丘 」 と呼ばれる小高い丘に行き、満天の星空を眺める　　　　　見上げればそこにあるのは、　　　宇宙の闇にきらめく我が銀河の恒星たちのすがた　　　　　槍ヶ岳～北穂高岳のシルエットが浮かぶ　　　稜線上にはぽつりと、槍ヶ岳ヒュッテ・北穂高山荘の灯りが見える　　　　　安曇野の街の灯り、徐々に光のとどきはじめた東の空　　　　　ご来光を見ようと、ヒュッテから徐々に人が集まってきた　　　　　　南の遥か遠くには、富士山の頭も見えている　　　　　そして西には、穂高連峰がたたずむ　　　　　静寂のなかで、宇宙の荘厳さを感じる　　　　　　　惑星が自転し、公転してゆく　　　　　　　　　　　　私の棲む惑星　　　　　　　　　　　　それは、宇宙の辺境で起きる小さなドラマ　　　　　朝陽を受ける北アルプスの峰々　　　　　地球の自転速度は速く、　　　日向と日陰の境界線は瞬く間に西へと走り去り、　　　　　雲上は陽光に溢れ、　　　　　鳥や花といったこの惑星の生命にも、また新しい一日が始まる　　　　　　さて、俺も山荘で朝ごはんを食べるとしようか　　　　　　　　　　（注）　掲載したすべての写真および文章の著作権は、　　　　　　　　　　　　　　私chikyuujinにあり、一切の転用を禁止します。　　　　　　　　　常念岳・蝶ヶ岳　縦走記 　　　　　　　[ vol. 1 ]　　沢沿いの世界　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 2 ]　　雲上のトレッキング　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 3 ]　　蝶ヶ岳　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 4 ]　　惑星をめぐるドラマ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 5 ]　　楽しくて仕方ない

  2007.08.16

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  蝶ヶ岳

  　　　[　常念岳・蝶ヶ岳 縦走記　　　vol. 3　]　　　　　　常念岳山頂から下りてきたけれど、蝶ヶ岳まではまだ半分の地点　　　今日宿泊予定の蝶ヶ岳ヒュッテは、あのピッと飛び出た蝶槍のさらに向こう、　　　うっすらと雲のかかっているあの稜線にあるのだ　　　　　　森林限界の下に戻ってきた　　　アップダウンを繰り返しながら進んでゆく　　　　　　森の中に射し込む一筋の光が、まるでスポットライトのように、　　　一輪の花を照らしていた　　　　　　俺にとっては登山もまた、　　　気候・地形・植生の変化などに触れる地球探検のような気分だ　　　　　　人間に見せるために、可憐な花を咲かせているのではない　　　　　　陽光に力強く向かい群生する、ニッコウキスゲ　　　進化と自然淘汰を繰り返し、種は多様化した　　　　　　夏の日の槍ヶ岳と槍沢　　　代表的な日本風景のひとつといえるだろう　　　　　　蝶槍へ向かう人々　　　　　　蝶ヶ岳山頂周辺の稜線は、穏やかだ　　　　　　眼前に見える 奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳　　　　　　今日の宿泊予定地・蝶ヶ岳ヒュッテに到着　　　　　　日没までまだ時間があるので、周辺を散策する　　　　　雲が、下からどんどん上がってくる　　　　　　ブロッケン現象に遭遇　　　雲がスクリーンとなって自分の影が映り、光の散乱が虹色の輪をつくる　　　　　峰々のグラデーションが美しい　　　中央奥は乗鞍岳、左奥には御嶽山が見える　　　　　槍ヶ岳を振り返る　　　　　夕陽が、山や空のさまざまな表情を演出する　　　　　お盆だけあって、多くのテントがテント場を彩っていた　　　　　　また一日、今日という時間を過ごした　　　最近いっそう、人生に深い喜びと充足感を感じるなぁ　　　　　　　　　　（注）　掲載したすべての写真および文章の著作権は、　　　　　　　　　　　　　　私chikyuujinにあり、一切の転用を禁止します。　　　　　　　　　常念岳・蝶ヶ岳　縦走記 　　　　　　　[ vol. 1 ]　　沢沿いの世界　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 2 ]　　雲上のトレッキング　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 3 ]　　蝶ヶ岳　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 4 ]　　惑星をめぐるドラマ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 5 ]　　楽しくて仕方ない

  2007.08.15

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  雲上のトレッキング

  　　　[　常念岳・蝶が岳　縦走記　　　vol. 2　]　　　２日目。　常念岳のピークを目指し、　　　その後、稜線を縦走して蝶ヶ岳へ向かう予定。　　　　　山小屋泊というと、怖くないの？と聞かれることもあるが、　　　それはきっと、小さな無人の避難小屋のようなものを想像してるんじゃないかな　　　ここ常念小屋には、管理スタッフもいるし、食堂もある　　　　　　朝露も残る清々しい空気のなかを歩いてゆく　　　　　常念山頂に向かって、ぐんぐん高度を上げてゆく　　　昨日泊まった常念小屋の赤い屋根も小さくなってゆく　　　さぁ、雲上のトレッキングだ　　　　　　　　　　　　常念岳山頂付近にて　　　右奥にひょっこりと頭を出しているのが、富士山　　　　　常念岳山頂付近にて　　　西側には穂高連峰が連なる　　　常念山脈の山稜ルート（ 燕岳～常念岳～蝶ヶ岳 ）は、パノラマ銀座と呼ばれ、　　　平行に走る槍ヶ岳・穂高連峰のワイドな眺望を楽しめるコースだ　　　　　　常念岳山頂直下　　　　　　左側の常念岳のピークから降りてきたところ　　　稜線は、何度もアップダウンを繰り返す　　　　　ここから次は、蝶ヶ岳へと向かう　　　　　　　　　　（注）　掲載したすべての写真および文章の著作権は、　　　　　　　　　　　　　　私chikyuujinにあり、一切の転用を禁止します。　　　　　　　　　常念岳・蝶ヶ岳　縦走記 　　　　　　　[ vol. 1 ]　　沢沿いの世界　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 2 ]　　雲上のトレッキング　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 3 ]　　蝶ヶ岳　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 4 ]　　惑星をめぐるドラマ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 5 ]　　楽しくて仕方ない

  2007.08.14

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  沢沿いの世界

  　　2泊 3日かけて、北アルプスの常念岳・蝶が岳を縦走してきた。　　またしても単独で山に入り、　　たっぷりと時間をかけて、沢を通り、森を抜け、山稜を歩いた。　　清々しい空気を吸いながら、鳥のさえずりに耳を澄ませ、　　足下の見知らぬ高山植物に見入っては、雲海とそこに突き出す峰々を眺める。　　夜明けや日没には、太陽が大空に紡ぎだすグラデーションの変化に見とれ、　　闇が訪れれば、満天にきらめく我が銀河の姿に酔いしれた。　　そして、稜線の山小屋に泊まり、ご飯を食べ、　　子供のように遊び疲れた身体を投げ出しシュラフで眠った。　　ここで接するあらゆるものに 「 惑星・地球 」 を感じながら、　　自らの肉体を燃焼させ、自らの精神にまたひとつケルンを築く、　　そんな濃密な 3日間であった。　　[　常念岳・蝶が岳　縦走記　　　vol. 1　]　　　　　常念岳一の沢登山口から入り、一の沢に沿って遡るように登ってゆく　　　　　　森の中にいてもどこからともなく、ざぁぁぁぁという水の音が聞こえていた　　　　　　その水の音に安心を憶えるのは、不可欠な水が近くにあるという生命の野性だろうか　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　山腹の急斜面へと突き当たり、さかのぼってきた沢を振り返る　　　ここからは沢の源流域を越え、急斜面を一気に高度を上げてゆく　　　　　そこには、北アルプスの、　　　　　独自の生態系がバランスをとっている　　　　　　その中へと入ってゆく　　　　　　ようやく稜線へ　　　　　飛び込んでくる西側の展望　　　そこには、光に演出された槍ヶ岳や大キレットがあった。　　　標高2450ｍ、今日は、ここ常念小屋に泊まる。　　　　　　　　　　（注）　掲載したすべての写真および文章の著作権は、　　　　　　　　　　　　　　私chikyuujinにあり、一切の転用を禁止します。　　　　　　　　　常念岳・蝶ヶ岳　縦走記 　　　　　　　[ vol. 1 ]　　沢沿いの世界　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 2 ]　　雲上のトレッキング　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 3 ]　　蝶ヶ岳　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 4 ]　　惑星をめぐるドラマ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ vol. 5 ]　　楽しくて仕方ない

  2007.08.13

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  生命のざわめき

  　　　[　乗鞍岳　vol. 2　]　　　　　　　　　　　　　　　　　　おまえはいったい、何なのだ？　　　　　　いったいなぜ、そんなかたちへと進化したのであろうか？　　　　　　いったい何のために、こんなところにまで登ってきたのであろうか？　　　　　　見たこともない高山植物たちを前にして、うぅむと唸りながら、　　　　　　この惑星はいったい何なのだと思う。　　　　　　花の造作の不思議さを、しげしげと見つめた。　　　　　　過去に地球で繰り返されてきた自然淘汰には、　　　　　　思いもつかぬほど膨大で壮大なドラマがあったであろう。　　　　　　進化は、私たちが驚くような大胆な変化をもって体現されている。　　　　　　最初は何気なく思った花でさえ、細部までよくよく見ていると、　　　　　　ふつふつと不思議な感情が湧いてくる。　　　　　　コレハイッタイナンナノダ？　　　　　　次第に、なんだかリアルな世界とは思えなくなってくる。　　　　　　でもこれが、俺の棲んでいる地球で起きていることである。　　　　　　これがこの星の生命のダイナミズムである。　　　　　　乗鞍岳の肌寒い風に吹かれながら、あぁ一緒なのだなと想い馳せたのは、　　　　　　意外にもアマゾンのような熱帯雨林であった。　　　　　　気候は違っても同じ。　　　　　　これは、この惑星を舞台に繰り広げられる生命のうねりなのだ。　　　　　　植物も動物も地球中の無数の生命は、この惑星の広い範囲にわたって進出し、　　　　　　それぞれの地で、それぞれの戦略をとりながら生きている。　　　　　　熱帯雨林で、ツンドラで、サバンナで、砂漠で、街角で、　　　　　　それはもう地球のあらゆるところで。　　　　　　不思議に進化した高山植物をあれこれ深く静かに見ているうちに、　　　　　　植物に対する感じ方がずいぶんと変わっていくような気がした。　　　　　　いままで何気なく思っていた地球中の植物たちが、　　　　　　やけに激しく、やけに生命の躍動感をもって感じられてきた。　　　　　　地球中の生命のざわめきを感じて、地球はなんてにぎやかな星なんだと思った。　　　　　　そしてなにより、地球はやっぱりおもしろい、と思った。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（注）　掲載したすべての写真および文章の著作権は、　　　　　　　　　　　　　　私chikyuujinにあり、一切の転用を禁止します。

  2007.08.09

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  乗鞍岳

  　　　[　乗鞍岳　vol. 1　]　　　　　　　　乗鞍岳に行った。　　　　乗鞍岳は、富士山と同じく、噴火によってできた火山である。　　　　いくつもの峰といくつもの火口跡の池がある。　　　　その主峰・剣が峰3026ｍへ登る。　　　　とはいえ、日本で最も簡単に登れる3000ｍ峰。　　　　標高2700ｍの畳平までスカイラインが整備され、　　　　一般車両の進入は禁止されているものの、シャトルバスに乗ればそこまで運んでくれる。　　　　　　　　　バスを降りた畳平は、もう高峰の世界。　　　　そこは、色とりどりの花が咲き乱れる楽園のようであった。　　　　見たこともないかたちをした多くの高山植物をしげしげと見つめる。　　　　いったいお前はなんなのか、どうしてこんなところにいるのか。　　　　生命のあまりの多様性に、驚かずにはいられない。　　　　そして、過去に地球で起こった膨大な数の自然淘汰を想った。　　　　このコースでは、さして時間に追われることもない。　　　　標準コースタイムの倍以上の時間をかけて歩き、　　　　高山植物に見とれ、写真を撮り、あれこれともの思いに耽りながら、　　　　地球を楽しむ人生の一日をまた過ごした。　　　　　　　　[　畳平　]　　　　　　　[　不肖池　]　　　　　　　[　蚕玉岳ピーク　]　　　　　　　　[　剣が峰ピーク　]　　　　　　　　[　剣が峰頂上　]　　　　　　　　[　大雪渓で夏スキーに興じる人々　]　　　　　　　　[　雲に呑まれる登山道　]　　　　　　　　[　肩の小屋　]　　　　　　　　　　（注）　掲載したすべての写真および文章の著作権は、　　　　　　　　　　　　　　私chikyuujinにあり、一切の転用を禁止します。

  2007.08.08

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  北アルプス　西穂高岳

  　　　　　　　　地球を感じ味わう旅。　　　　　　　　北アルプス 穂高連峰、西穂高岳へ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　太陽が雲海に沈むと、　　　　　　　やがて山の世界にも、深遠な宇宙の闇が訪れる　　　　　　　　　　　　空には、月明かりならぬ星明りに照らされているのではないかと思うほど、　　　　　　　砂をこぼしたようなにぎやかな星屑が現れた　　　　　　　その光景は、地球が、　　　　　　　銀河の中のひとつの星に過ぎないということを素直に感じさせるものだ　　　　　　　俺は、今までに出会ったさまざまな地球のシーンを思い浮かべながら、　　　　　　　宇宙の片隅にぽつりと浮かぶこの惑星の姿を想った　　　　　　　　　　

  2006.10.03

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  木曽駒ケ岳・宝剣岳

  　　　　　　　　　　中央アルプスの 「 木曽駒ケ岳　2956m 」 に登りました。　　　　　　　　この山には、途中までロープウェイが運行しており、　　　　　　　　日帰りでも登れるアルプスでは初級コースのひとつです。　　　　　　　　ロープウェイの千畳敷駅を降りると、そこはもう標高 2600ｍの世界、　　　　　　　　高山植物の咲く 「 千畳敷カール 」 が広がっています。　　　　　　　　花崗岩の白、高山植物の緑、蒼天の青、そのコントラストが実に美しい！　　　　　　　　　　これが千畳敷カール。　　　　　　　　カールとは氷河が削った御椀型の地形のことで、　　　　　　　　この千畳敷カールも、およそ 2万年前には氷河の底だったところです。　　　　　　　　清々しい空気を吸いながら、その美しいカールを登っていきました。　　　　　　　　　　　　　　　ロープウェイの千畳敷駅から駒ケ岳の山頂までは、標高差およそ 350ｍ。　　　　　　　先月登った富士山登頂の標高差がおよそ 1300ｍであったことに比べれば、　　　　　　　体力的にはかなり楽なものでした。　　　　　　　　　木曽駒ケ岳のルートから外れ 宝剣岳 にも足を伸ばしたのですが、　　　　　　　そこには、ずいぶん危険なところもありました。　　　　　　　途中からは補助用の鎖が打たれた急な岩場で、滑落事故も発生している場所、　　　　　　　とくに山頂直下では、足を踏み外せば何十メートルも落ちてゆきそうな、　　　　　　　切れ落ちた崖を横切らなければなりませんでした。　　　　　　　ほんとうにこんなとこ行くのかと進むのをためらっていると、　　　　　　　ちょうど後ろから熟練した登山者の方がこられたので、　　　　　　　ご一緒させていただき、私もその方についていきました。　　　　　　　ザックもカメラも邪魔になるものは、　　　　　　　帰りにピックアップするつもりでいったんすべてその場に置き、　　　　　　　足場を確かめつつ三点確保を守りながら、慎重に登りました。　　　　　　　　　　湧き立つ雲、豪快な岩稜、・・・・　　　　　　　　地球を味わう手ごたえを求めて、山の魅力に惹かれてゆく自分がいます。　　　　　　　　　　

  2006.08.26

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• 地球の味わい方

  　　　　　　　　酸素も薄くなる高峰 ・・・・　　　　　　　　　惑星のダイナミズムを感じる雲上の世界 ・・・・　　　　　　　　そこにもまた、俺がいままで知らなかった地球の顔があった　　　　　　　　この星の見せるさまざまな表情を求め、大地の頂きに挑むこともまた、　　　　　　　　俺の 「 地球の味わい方 」 のひとつである　　　　　　　　感動にビリビリと痺れるような、　　　　　　　　そんな生きている実感が、私は欲しい

  2006.08.19

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