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cms@ebisu

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2007.10.30
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カテゴリ:これから観劇
附属演劇研究所の本科生による発表会のために作られた、作・森本薫の『女の一生』のセットを背景に、「森本薫の世界」のシンポジウムが行われました。

第一部のパネルディスカッションは司会に演劇評論家の大笹吉雄を迎え、名作ドラマのディレクターとして活躍してきた大山勝美、そして文学座でただ一人、生前の森本薫を知る戌井市郎の三人が、作家・森本薫の文体から上演作品に至るまで、まさにその「森本薫の世界」を語ってくれました。
三人の方々が一同に介した話が伺えるだけでも貴重な場だと思いました。丁寧に分かりやすく語ってくださるところなど、作り手ならではだと感心して聞いていました。

配布されたプログラムの「森本薫年譜」に沿って作家の経歴が語られました。
森本薫は京都大学卒業後しばらく大阪で作家として活動して、上京した後、昭和15年に28歳で文学座に入座しました。
印象的だったのは、当時の文学座では男性が主役の芝居が多く、森本薫が書いた作品により、初めて杉村春子が主役をやる機会を得たのだそうです。
しかし森本は34歳で病気のためこの世を去りました。

この若い作家の戯曲が、なぜ今でもこんなに愛されて上演されているのか、第二部で明かされることになります。

第二部は、11月29日からアトリエで上演される『華々しき一族/かどで』の演出家と出演者によるフリートークです。
華々しき一族』の演出は、戌井市郎。『かどで』の演出は、森さゆ里。

華々しき一族』は杉村春子の主演で数多く上演され、10年前に彼女が亡くなる一年前まで出演していたのだそうです。
杉村春子の演じていた役に、今回は稲野和子が配されています。
稲野からこんなエピソードが語られました。
生前に杉村春子から、「次にやるのは、あなただから」と言われて、この作品の衣裳を譲り受けたのだそうです。
そして今回の舞台で、その衣裳を着て演じるというのです。
杉村春子の稲野への期待の大きさを感じるような話でした。

そして『かどで』。
出演者も、森本作品の中で一番難解な作品だと言っていました。
ト書が極めて少ないため、登場人物がどんな立場や心情でセリフを言っているのか、様々な解釈ができてしまうからだそうです。
それを演出家とともに、これからじっくりと方向を決めて稽古に入るという話がありました。
そして誰もが、この『かどで』と『華々しき一族』が昭和10年、森本が23歳の時に相次いで発表した作品であることに、尊敬と驚きの言葉を述べていました。
時代を先取りしたような『かどで』は、当時としては斬新な内容であったようです。
この若さで、洗練された文体、そして的確な女心。
これが森本作品の魅力となっているようです。
早熟で秀才の作家への賛辞が、客席を交えて森本作品を知る人々の口から語られていました。

(文学座アトリエにて)

※写真は、シンポジウムのプログラム。

※『華々しき一族/かどで』公演の詳細は、文学座のサイトで。





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最終更新日  2007.11.03 11:20:35



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