オバマ政権の意向を無視する安倍政権はチェイニーなど好戦的勢力に操られ、軍事的緊張を高める
安倍晋三政権はアメリカのバラク・オバマ政権からのメッセージを無視、東アジアの軍事的な緊張を高め続けている。勿論、安倍首相の周辺には狡猾な官僚がいて、自分たちの判断でアメリカ政府と事を構えるとは考えにくい。誰かに操られている可能性が高いということだ。そもそも、日本の支配システムの利益に反する政策を打ち出せば、あらゆる手段を使って排除されるだろう。 アメリカ政府との関係が険悪になる切っ掛けは昨年12月26日に行われた安倍首相らの靖国神社参拝。その2週間前、ジョー・バイデン副大統領は電話で安倍首相に対し、靖国神社の参拝は自重するように求めたが、それを無視する形で神社を訪れ、「失望」という表現が出てきたわけだ。 アメリカでもバイデン副大統領はある種の人びとに嫌われている。例えば、2010年にアフガニスタン駐留軍司令官を務めていたスタンリー・マクリスタル大将の側近はマイケル・ヘイスティングスというジャーナリストの取材を受けた際、オバマ大統領への不満を口にし、バイデン副大統領や大統領補佐官だったジェームズ・ジョーンズ退役大将などホワイトハウスの高官を軽蔑していたという。 ヘイスティングの記事が原因でマクリスタル大将は退役することになるが、ヘイスティングは昨年6月、ロサンゼルスで自身が運転するベンツが木に激突して炎上、死亡した。自動車を制御するコンピュータがハッキングされて暴走したという噂もあるが、真相は不明だ。 ところで、前にも書いたことだが、安倍政権を操っている黒幕を推測するヒントを安倍首相は今年9月、アメリカのハドソン研究所で行った演説の冒頭で口にしている。ロナルド・レーガン、リチャード・チェイニー、ヘンリー・キッシンジャー、ジョージ・シュルツ。いずれもイスラエルと親密な関係にある。 この演説はハーマン・カーン賞を受賞したことを記念してのものだったが、この研究所と安倍首相を結びつけたのはI・ルイス・リビー。この人物はネオコン(親イスラエル派)の中心グループに属し、ジョージ・W・ブッシュ政権で副大統領を務めたチェイニーの首席補佐官だった。 ジョージ・W・ブッシュ政権の軍事面は副大統領だったチェイニーが指揮していたと言われ、その発想は1%でも敵対行為を準備している可能性があれば、実際に準備していると想定して先制攻撃するべきだというもの。要するに、気に入らない奴は軍事力で叩きつぶしてしまえ、ということ。いわゆる「1%ドクトリン」だ。 ちなみに、現在、ヨーロッパ・ユーラシア担当の国務次官補としてウクライナの反ロシア/反政府派を扇動しているビクトリア・ヌランドはチェイニー副大統領の外交問題担当の筆頭副顧問だった人物で、夫はネオコンの大物、ロバート・ケイガン。 昨年8月21日、安倍首相は官邸で沖縄駐留の米海兵隊についてジョン・マケイン上院議員と話し合い、その際にマケインは普天間飛行場を名護市辺野古沿岸部に移設する計画を進めるよう求めたと伝えられている。このマケインも現在、ウクライナで反ロシア/反政府派を煽っているひとりだ。