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カテゴリ:大好きな奈良
鏡池前より脇道にはいると寺務所があります。 重源上人の模刻はこの建物の奥・・・ 写経場に安置されています。 だ・か・ら、マムは写経をしないといけないの! 嬉しい溜息がでちゃいます。 今日の写経は午前中2人。 午後はマム1人とのこと。 建物の奥に通されつつ、廊下を歩きながら 帰り・・・1人戻れなくなったらどうしよう ・・・とマムちゃんはちょっと心細なげ だけれど重源さまを独占できると思うと チルチルミチルもなんのその。 案内された襖をあけると、 っあ~ 明るい床の間に、 重源さんがいらっしゃいました。 これが、模倣ですか? たしかに模倣なのでしょうが、 独立した見事な老僧の彫刻が そこにありました。 「ちゃんとせな、あかんなあ」と 今にもお声がしそうですし マムはいっときの間、見惚れます。 三輪先生(当時は上原)は20代で この彫刻をなされたのかと・・・ 意味もなくマムは首をふり続けます。 こういう彫刻って、ただ技があるだけ ではなくて、のめりこんでいける 馬鹿な力と、憑き物がついてこないと 単なる等身大フィギュアになってしま うような気がします。 半眼の目が今にも大きく開きそうです。 見惚れてばかりではまずいです! 般若心経をうつさねば。 お手本は榊莫山先生です。 やはり、「奈良3」での表札の字は 莫山さんに違いありませんね。 静かな空間の中、気持ちを鎮めて 写経をはじめます。 莫山先生のお手本は、日頃の 天衣無法が影をひそめています。 が、面白いですねえ。 こちらが一心に筆を動かしていると、 莫山さんの楷書の集中がとぎれ わずかに、遊びほうけた字面が顔を 出すのがわかってくるのですよ。 これはちょっとびっくりしました。 マム自身が集中しないと、これは わからなかったと思います。 実際、写経終了後に、手本を見ても その箇所がどこだったか、 わかりませんでした。 マムの集中がとぎれると 重源さんがおもむろに立ち上がり お叱りになりそうです。 なにせマムは重源さんのまん前に 座っているのですから。 静かでした。気がつくと雨だれの音。 なんだか重源さんのしわぶきが 聞こえそうです。 気温も随分下がっているようです。 写教場の庭 12月はじめの三輪先生の個展で、期せずして 先生にお会いできて、そのうえお話できて、 東大寺さんのことを教えていただかなければ マムは写経場を訪れることはありません でした。模刻を真近かで観ることもありません でした。また莫山の書とがっぷり組むことも ありませんでした。 動くほどに新しい世界があらわれ、 それがつながっていくさまを、自分のことなのに 俯瞰して驚いたり、楽しんでいるマムが ここにいます。 不惑の年になってやっと人生を楽しむことが できるようになりました。 三輪先生の模刻はコチラをご覧ください。 また、インタビューもご覧になれば三輪先生が どんなお方かわかりますよ。 俊乗堂の裏で制作されている写真も見ることが できます。 こちらは本物ね。↓ パンフレットより あ~、豊穣なひとときでした。 マムの写経は八月に盧舎那仏(大仏さま)のおなかに 納められるそうですよ。ちょっと、いいえ、すごく 恥かしいです。 ○三輪途道先生 銀座ガレリアグラフィカ ○三輪途道先生 月の舟 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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