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カテゴリ:政治
女性専用温泉施設(スパ)が天然ガスによる爆発事故を起こしました。従業員が死傷しましたが、利用者に被害がなかったのは不幸中の幸いでした。地下1000m級から温泉をくみ上げる技術はありますが、利用施設は無規制のままでした。
東京都内の掘削現場でも爆発炎上事故がありましたが、法的規制は掘削事業に対するものしかありません。温泉水に天然ガスが混入しているので、天然ガスを遊離しなければならないのですが、施設に対する法的な規制はありませんでした。 施設側と管理会社との間で責任の押しつけ合いをしていますが、ガス探知機すら設置されていなかったようです。両者とも単に天然ガスの脅威に無知だったからのようですが、重大事故の責任から逃れられませんが行政側にも過失があります。 都内の温泉施設で天然ガス対策がなされていなければ、今回のような事故は必ず起きたはずです。行政には温泉施設を規制する義務があるはずですが、縦割り行政の弊害で担当部署が分からないようです。明らかに官僚の不作為の結果です。 社会保険庁の職員の不作為、組織的サボタージュの結果が5000万件に及ぶ年金記録の逸散を引き起こしました。年金の記録をコンピューターに移すだけの単純労働さえ正確に行わなかった代償は10年、1000億円単位の無駄に繋がりました。 今回の事故も役人が誠実に職務を果たしていたら天然ガスに対する規制が行われていたはずです。天然ガスを分離し、燃料として使用している施設には厳しい規制があるのにも拘わらず、温泉だけの施設には規制がなく、放置されていました。 規制緩和は時代の要請ですが、行政当局が無策無為のまま現状を放置してよいのではありません。スパは異業種からの参入が多いようですが、業績至上主義がコスト削減至上主義を生み出し、安全管理に対する投資をなおざりにさせたようです。 コムスン、NOVAなどで明らかになってきたように、規制緩和が生み出した新業種のオーナーには業績至上主義が多いようです。彼らにはモラルハザードを起こしやすい体質が見られます。企業の社会的責任を全うしない経営者が多いようです。 規制緩和は日本でも起業を目指す若者を増やしましたが、成功体験が拝金主義に繋がるようです。一攫千金を目指すのはよいのですが、お金が総ての生き方はギャンブラーと本質的に変わりませんから、ステップアップを目指して欲しいものです。 バブル崩壊はニューリッチを生み出しました。日本でもジャパンドリームが可能になってきましたが、アメリカと比べれば貧困といわざるを得ません。再チャレンジが可能な社会、誰にでも機会が平等に与えられる社会になっていないからです。 一方ハイリスク、ハイリターンのアメリカは移民の国です。失敗すれば他の土地へ移り再出発をすればよかったのです。日本と比べ桁違いに広いアメリカでは土地に執着する気風はありません。土地に執着する日本人とは本質的に違います。 しかし、日本人もグローバル化の波から無縁ではおられませんから、日本的な経済システムを創設する必要があります。トヨタがM&A路線が破綻したビッグスリーを抜き、トップに躍進しましたが、日本の進路を示しているように思われます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007/06/21 07:14:05 PM
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