昨日、背広を取りに行った。隣で店員に向かって20代とおぼしきカップルが「40代になってもまだこういう服きてるかなあ」といい、店員が何か講釈を垂れていた。いくら、私が20代から顔が変わらないからといって(20代の頃はいつも30歳以上に見られ、今は、30歳ぐらいに見られている(筈だ)が、顔は中島らもに似てきているらしい・・・)、「私が40に近くて失礼だなあ」と大声で心の中で叫んで粛清してあげた。
暑いので、コーヒーを飲んでぼやぼやしていると、ぼやぼやしていたことを思い出した。
その年の冬、繁華街の喫茶店で、ぼやぼやしていた。
席の後ろに怪しい男と若い女の子が二人座ってきて、話し声が入ってきた。
「君達はこの業界初めて?」
「何見て知ったの?」
「御客サンと終わったら、必ずお店に電話してね」
「マンションまで迎えに行きますから」
「勤務時間は24時から6時までだよ」
「帰りは店の人が送って行くから」
私は、トイレに行き、二人の若い女性をちらっと見た。
失礼ながら、人のことは言えないのだが、不細工であった。
で、何故だか、良かったぁと安心してしまった自分が、情けなくなった。
貴族の娘が、落ちてゆく孤独で悲惨な結婚生活「女の一生」(モーパッサン)を思い出してしまったというのは嘘である。
人面石 立神岩2021.02与那国島
人面石は森の中にあるようである。
バイクでどんどん進む。
幅の広い道ではなく、右側の狭い道をいく。案内はなく、グーグルマップで辺りをつけた。
山道になっちまったけど、行けるとこまで行くわ。
これ以上バイクでいけないところまで行き、そこから歩く。
初めて案内がでた。
人面か。
人面石の上に登ると頭にストレスハゲがあった。
ちょとかわいそじゃないか。
牧場見えた。
さて、森の中に戻りながら、絶壁へ向かうとするか(するかって、行って絶壁と分かったんだけど)
立神岩
そんなことを思いながら、本のしおり代わりにしていた紙を見た。
タイの入国カードであった。記入欄にこんなのがあった。
年収はいくらかと。2万ドル未満、2~4万ドル、4~6万ドル、6~8万ドル、8万ドル越え、無収入。
年収聞くのは聞いたことがないが、喫茶店でずっこける訳にもいかず、眉毛をぴくりと動かしたに過ぎなかった。