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カテゴリ:本&DVD&CD
本には2種類ある。かなり大まかな分類ではあるが。つまり、受動的な読み方が出来るものとそうでないもの及び、両者の間に果てしなく存在する星屑のようなものと。
受動的な読書スタイルとは、ただ字ヅラを目で追えばいい印刷物を読むことを言う。パンフレット、雑誌などがこれに当たる。 それらと好対照なのが、池田晶子氏の本。氏の著書の多くは、極めて能動的な読書スタイルで読まれるべき本なのではないだろうか?読む側が、氏の構築した城に心して出かけていく事が要求されているように筆者は感じる。 しかしながら、この「14歳の君へ」は、城主池田晶子が、城郭の虎口まで出迎えに来てくれている。出来うる限り平易な言葉によって城内へと誘われながら、ふと足元を見れば、読者はいつのまにか思考を俯瞰する場である天守閣に立たされているのである。 たとえば、幸福な心について池田はこう書いている。 ここから引用ー 幸福な心を手に入れるためには、幸福な心になればいい。人は、幸福な心になりさえすれば、誰も必ず幸福になれるんだ。心が幸福でないままに、外に幸福を求めようとするから、幸福になるのは難しくなっているだけなんだ。 ー中略ー 自分を認め、他人をねたまず、何かを誰かのせいにもしない。すべてそのまま受け入れる。そういう心が、不幸でない幸福な心だ。人は心で不幸になっている、自分で自分を不幸にしていると気づくなら、君の心はきっと幸福になるはずだ。 ここまで引用 もっと引用したいところだけれど、それでは本を読む楽しみが半減するので、あえてここまでにとどめおこう。 しかも、この本は、読めば読むほどスルメのように味わいが増す。1冊で3度おいしい、いやもっとかもしれない。 という訳で、たとえ14歳でなくとも充分に楽しめる1冊なのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年09月06日 22時17分12秒
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