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テーマ:いまさら、ビートルズ。(617)
カテゴリ:音楽
rain 1966年4月14日(木)昼間はpaperback writerのセッションで、午後8時30分から午前1時まで、レインの録音がなされる。 この曲には、アルバムリボルバーのすべてのエッセンスが入っている。 リミッター、コンプレッサー、ジャングル・ボックス、レスリー・スピーカー、ADT、テープの逆回転、テープスピード操作、ボーカルピッチ調節。 この日録音されたレインのオープン・リールテープを持ち帰った技術オンチのジョン・レノンが、自宅でテープを逆に装着したことによって、テープの逆回転サウンドというのが、事故的に発見される。 翌日、ジョンはその「信じられない」発見をメンバーに聞かせ、レインのフェイドアウトに使いたいと言い残して、お茶を飲みに行ってしまう。後の作業は、ジェフの仕事となる。 ここから、ビートルズの逆回転サウンドがはじまった。
レインのサウンドがこもって聴こえるのは、アップテンポの演奏をスピードを上げたテープレコーダーで録音し、そのテープのスピードをノーマルに落とすことで、本来のテンポで、音質の劇的変化を狙っている。コンピューターで簡単にできることも当時は、時間を掛けて創っていた。このテクニックは、それ以後のビートルスサウンドで多用される。 サビの終わりごとに入る不安定なエコー。ヴォーカルを別の2トラック・テープレコーダーに送り、そのテレコのアウトプットをインプットにつなぐことで得る。フィルはサビが終わるごとに録音レベルをフィードバックを起こすぎりぎりまで上げていく。 このころのビートルズの曲に、ある種の緊張感があるのは、テープ編集はされず、たとえば最後のフェイドアウトが失敗すると、ミキシングを最初からやり直しという、今では、考えられない作業を行っていたからで、それだからこそ、ミキシングスタッフの緊張感も音に加わる。 荒削りなミキシング作業がビートルズサウンドの味でもあり、現場の緊張の記録でもある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.07 07:06:22
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