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テーマ:いまさら、ビートルズ。(617)
カテゴリ:音楽
8-13 a day in the life 1967年1月19日(木)この曲がスタジオで、初めて披露されたとき、スタジオの空気は、新しい芸術が生まれたことで圧倒されていた。ジョンの歌はインパクトがあった。 簡単なイントロと三つのヴァース、二つの簡単なコーラスだけで、全員が早くレコーディングしたい衝動に駆られていた。 肌寒い1月、クリスマス・ツリーが飾られていたためくるみ割り人形の登場人物にちなんだ"sugar plam feary,sugar plam feary" のジョンのカウントから歌がスタートする。 彼の歌にこめられたむき出しの感情に首筋がゾックとした。(ジェフ・エメリック談)午後7時30分から午前2時30分までのセッションで4テイク録音された。 その晩のジョンのヴォーカル・パフォーマンスはまれにみる名演で、感動は長く続いた。
翌晩、ジョンのボーカルのいいとこ録りがなされる。「コンピング(補正)」と言う作業で、それぞれのテイクのいいとこを1つにまとめること。 ジョンは、音をはずす心配は無かった。編集が終わる。 ミドル・セクションはポールのノートから拾われる。「woke up,fell out of bed」と言う歌詞が目覚まし時計のベルにぴったりな偶然。目覚まし時計の音は、中間24小節をカウントしたマル・エバンズがいたずらで鳴らして、ジェフ・エメリックが消せなかったもの。 すべてが不思議な偶然の連続とひらめきでこのア・デイ・インザ・ライフのセッションは進行する。 途中さまざまな他のペパー曲の録音をはさみこの曲は暖められることになる。
1967年2月3日(金)にポールのボーカル、ベースとリンゴに指示して皮をたわめたタムタムの音を録る(それまでのドラムパートは消去)、タムにはにミキシングで低音部を大量追加、このティンパニのようなサウンドはそうして得られた。ミドルセクションのボーカルはポールから、起抜けのすっきりしない声にして欲しいと言う要望で、高音部をとり、コンプレサーを掛ける。この部分のポールのヴォーカルが、こもって聴こえるのはそういった処理による。 ポールのボーカルパートの最後ががシャキと、区切って歌われているのは次のジョンのパートへのドロップインに余裕がないためで、ポールも納得して「dream」のあとに「ah」を加えドロップアウトのタイミングをはっきりさせている。この部分のヴォーカルがほんの少しだけ急いでいるのはそんな事情がある。 そして曲本体と、ポールのミドルセクションの間の二十四小節をどうするかのアイディアもこの日に決まった。最初はジョンが口にしてたものすごく小さな音が次第に大きくなり、ついには何もかも飲み込んでしまうという抽象的なものだった。そこで、オーケストラを呼ぶアイディアは出来たが何をするかははっきりしていなかった。 その後、ジョージ・マーティン、ジョン、ポールのミーティングでそれぞれの楽器の低い音から一番高い音まで上がり、音のオーガズムを迎えると言う案にまとまる。 1967年2月10日、40人の正装したオーケストラが集められ、風船が飾られ、パーティグッズが配られ、クラッシクの演奏家にとっては考えられない当惑してしまう指示が与えられる。「周りの音を一切聞かず、自分のペースで最低音から最高音まで上がっていくこと。」 話がやっとまとまり、リハーサルが行われる。何が起こるかわからないので、予備も含めてトータル8回の演奏が録音される。近代音楽史のマイルストーンの演奏が記録された。 ジョージ・マーティンが「終了。」を宣言すると、スタジオにいたメンバーから拍手喝采が沸き起こった。誰もが、このセッションで特別なことがおきていた事を感じていた。 そしてこのクライマックスを迎えたエンディングには強烈な終わり方が必要だった。 永遠に続く、延ばせるだけつづく大音量のピアノ・コードと言うアイディアをやっとのこと出したのは、ポールでその録音の2週間後だった。音を延ばす作業は、最大のヴォリュームを保つことだ。各インプットのゲインを最大にし、ミキシング・コンソールのフェイダーを下げて置き、音が消えていくのにあわせてフェイダーを上げ、ヴォリューム低下を補う。 6台の鍵盤が同時に鳴らされる。(録音の最後に、スタジオのエアコンの音もかすかに入っているそうだ。) オーヴァーダブのひとつにリンゴの靴のきしみも入っている。(エンディングピアノサウンドのフェイドアウトがはじまるあたり)
最後の変なテープ音はLPは1回しかない。そのままターンテーブルで、レピートすることを狙っていいる。CDは数回繰り返しが入っている。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.09 06:33:31
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