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カテゴリ:中国
なぜか引き付けられる場所とか、物とかないだろうか。 武康大楼を写真で見たとき、「行きたい。」と単純に思ってしまった。 レッド・ツェッペリンのアルバムにある飛行船ツェッペリン号が現れたようなその異様な外観の建造物が、旧フランス租界にあるという不思議な状況をこの目で確かめたいと気になっていた。
そして、場所も正確に確認せず、ぶらぶら歩いてその姿を淮海中路と武康路の交差点で見つけた。 この建物は「武康大楼」と呼ばれ、地元では汽船大楼または河浜大楼と呼ばれているらしい。1925年に東棟ができ、あとから西棟が完成した。 最初は、1924年にフランス万国貯蓄会がハンガリーの建築家・ヒューデックに設計を依頼し、その後、孔祥熙の娘の所有になり、1949年以降は 軍人や文化人(趙丹、王人美)、高級幹部らに提供されてきた。 (ヒューデックの建築作品には、人民広場にある国際飯店がある。) また、1967年からは日本人画家秦忠明氏(現在は上海戯劇学院の教授)が住んでいる。 この付近には、民国政府の総理であった唐紹儀、 作家巴金、毛沢東夫人だった賀子珍、孫中山夫人の宋慶齢など歴史の証人が多く住んでいた。 価格は156.92平米で、500万元(6,500万円)である。 ・・・・・結構、いい値段である。
武康大楼は、ノルマンディ・アパートメントと呼ばれている。 そのノルマンディとは1933年に完成したアール・デコ装飾の粋を集めた豪華客船を差す。 カッサンドルのポスターが有名である。
順番としては、こちらの建物が先にできてから客船ノルマンディ号が完成している。 呼び名は後からつけられたに違いない。 ツェッペリン号もノルマンディ号も流線型をモチーフにした世界移動時代の象徴である。 流線型の弾丸列車も走り出した時代である。 武康大楼から時代の躍動を感じる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.04.15 00:07:51
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