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2012年03月18日
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カテゴリ:シリーズ京歩き

昔々、あるところに・・・。
という書き出しで始まるのが、昔話のお決まりのパターン。


しかし、京都に伝わる昔話や伝承というのは、
そういう時間や場所があいまいな話というのが、意外と少なくて、
逆に、もっと具体性を帯び、実在の人物が登場してくるようなものが多いというのが、
その特徴のひとつであります。

どのようなものがあるかと云えば、

・大蜘蛛退治により、源頼光の熱病が治ったという話。
・石仏を城に持ち帰った秀吉が、
石仏が元の場所に戻りたいと泣くために、それをそっと元に戻したという話。
・千宗旦に化けた狐が、見事な手前を見せて、人々を驚かせたという話。
等々。

しかも、それらの話が伝わる場所には、
それにまつわる遺跡が残されていたりする場合も多くあります。


そこで、今回は、そうした京都に伝わる伝承のひとつ。
「忠盛灯籠」というお話を、ご紹介したいと思います。


この話に登場してくる人物はと云えば、白河法皇と平忠盛。

平忠盛というのは、ご存知のとおり、今年の大河ドラマにも登場してくる平清盛のお父さんですね。

そして、この伝承は、
平忠盛という人が、いかに思慮深く、判断力に優れた人であったかということが伝わってくる、
そんな逸話でもあります。


( 忠盛灯籠 )


平安末期の永久年間、ある雨の日の夜のこと。

白河法皇が、祇園女御に会いに行くために祇園・八坂神社のあたりを通りかかったところ、
前方の北の森に明かりがついて、怪しげな鬼のようなものが見えました。

法皇はお供についてきていた平忠盛に、この鬼のようなものを討ち取るようにと命じます。

しかし、忠盛は、法皇の命ながらも、これを討ち取ることはせず、
まず、その正体を見極めようと、これを生け捕りにしました。

すると、何とそれは、鬼などではなく、
八坂神社の社僧が灯籠に灯明を灯そうとしていたところで、
雨具の蓑が、灯明の光で銀色の針のように見えていたものなのでありました。

無用に人を殺すことなく、冷静に対処した忠盛のこの思慮深い行動に、
人々は、こぞって感嘆の声をあげたのだそうです。

その後、このことから、人々は、この灯籠のことを「忠盛灯籠」と呼ぶようになりました。



  • 忠盛灯籠.jpg



京都・八坂神社にある石灯籠のひとつ。

本当かどうかはわかりませんが、
この灯籠が、その時の灯籠であるといわれています。

しかし、いかにも古そうなこの灯籠には、
忠盛のこの伝承を、彷彿とさせるものがありますね。


この「忠盛灯籠」があるのは、八坂神社・本殿の東側。

今も、この灯籠は、悠久の歴史を刻むかのように、佇んでいます。






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最終更新日  2012年03月18日 17時54分47秒
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Re:忠盛灯籠(03/18)   picchuko さん
gundayuuさん、おはようございます。^^
平清盛、観てますよ~!
だからかな~、この記事を読みながら、平忠盛は中井貴一さん、白河法皇は伊東四朗さん、祇園女御は松田聖子さんの姿で頭に浮かんできました~(笑)

忠盛については全く知らなかったんですが、平氏の基盤を築いたのは清盛よりも忠盛だったんですね。
思慮深い行動、、、なんとなく納得できそうな気がします。

八坂神社はただでさえ人出が多い場所だから、きっと今頃はかなりの観光客が見に来るんでしょうね。 (2012年03月19日 07時25分49秒)

新平家物語   ゆうあいママtosa さん
思い出しました。
中学生の頃に読みました。
歴史がすきになったのはこのような本をよんでいたからかしら・・・

今は吾妻鏡かな? (2012年03月19日 18時24分47秒)

Re[1]:忠盛灯籠(03/18)   gundayuu さん
picchukoさん
おはようございます。

>平清盛、観てますよ~!
>だからかな~、この記事を読みながら、平忠盛は中井貴一さん、白河法皇は伊東四朗さん、祇園女御は松田聖子さんの姿で頭に浮かんできました~(笑)

中井貴一の忠盛も、伊東四朗の白河法皇も、その人らしさがよく出てますよね。松田聖子の祇園女御もそんな感じの人だったかのかなと思えてきます。

>忠盛については全く知らなかったんですが、平氏の基盤を築いたのは清盛よりも忠盛だったんですね。
>思慮深い行動、、、なんとなく納得できそうな気がします。

平家で殿上人となり昇殿を許されたのは忠盛が初めてでした。源氏が伸び悩む中、平家の基盤を固めたのは忠盛だったのだと思います。ドラマの忠盛もシュアな堅実さがよく出ていて、いい感じですね。

>八坂神社はただでさえ人出が多い場所だから、きっと今頃はかなりの観光客が見に来るんでしょうね。

大河ドラマの影響は大きいですからね、忠盛灯籠と書かれたパネルは随分前から立てられていたと思いますが、改めて脚光を浴びていると思います。
(2012年03月20日 08時02分11秒)

Re:新平家物語(03/18)   gundayuu さん
ゆうあいママtosaさん
おはようございます。

>思い出しました。
>中学生の頃に読みました。
>歴史がすきになったのはこのような本をよんでいたからかしら・・・

>今は吾妻鏡かな?

新平家物語、中学の時に読まれたんですか。
私も一度読みたいと思っているのですが、
読み終えるのに、随分、時間がかかるんだろうな。
吾妻鏡なども原訳版で読んでみたい。
楽しみですね。
(2012年03月20日 08時18分26秒)

Re:忠盛灯籠(03/18)   KAZNY さん
オランダ在住KAZNYです。登録ありがとうございます。
最近、ユーチューブで「平清盛」を見ています。旬な話題で勉強になります。
よろしくお願いします。 (2012年03月23日 06時10分55秒)

Re[1]:忠盛灯籠(03/18)   gundayuu さん
KAZNYさん
コメント頂き有難うございます。

>最近、ユーチューブで「平清盛」を見ています。

オランダでも見れるのですね。
便利な時代になったものです。
ヨーロッパで暮らしていると、日本の古い時代の話というのは、ギャップを感じるのかも知れないですね。
(2012年03月25日 09時24分12秒)

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