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頭領だからこそ行くのだ
波を見つめ、決心に間違いないことを確かめたあと、月影のもれる密林をさまよっていた鹿門は、沼で水浴びをしている寿賀にきずき足を止めます。寿賀も鹿門に驚き、鹿門は目のやりどころに困り、急いでそこから立ち去ろうとしたとき、 寿賀が「鹿門様」と呼び止めます。寿賀のほうを見た鹿門に、「さっきは有難う、すっかり元気よ」と明るい寿賀に何もいえず、恥ずかしそうな表情をして行こうとする鹿門に、寿賀は「待って・・いま行くわよ」と声をかけます。 二人は楽しそうに歩いています。 鹿門「そなたは何でもできるんだなあ」 寿賀「男勝りのお転婆といいたいんでしょ」 鹿門「いや、褒めてるんだよ」 鹿門「妹の小静も泳ぎが上手かった」 寿賀「お可哀想に・・・早く見つかるといいのにね。・・・でも、小静さんが見つ かったら、鹿門様は堺に帰っておしまいになるんでしょ」 鹿門は笑みを湛え 鹿門「・・・俺が帰ると思うか」 といった鹿門に寿賀は嬉しそうに、 寿賀「帰るような人だったら、・・もう、めっちゃくちゃに・・・」 と、鹿門に寄っていくと、鹿門のほうも寿賀がすがって来るのをうれしそうによけながら、 鹿門「ほれ、また激しいのがはじまった、・・・さっき褒めたばかりじゃないか」 寿賀「・・・あたし・・・鹿門様に、もう・・・意地悪いえなくなっちゃった」 そのとき、鹿門は何かに気づいたようで、さっきまでの表情とは違い、険しさのある顔で寿賀に寄って行きます。 そして、寿賀を見つめると、 鹿門「寿賀さん・・・・・」 そういうと、寿賀を押し倒します。寿賀は「なにすんのよ」と突然の鹿門の行為に驚きと抵抗しますと、鹿門が寿賀に「見ろ」といった方向の木に矢が飛んできたのです。 二人は急いで安全なところに身を隠します。そして、鹿門が短刀を木の茂みに向かって投げますと、地面に咲いている花に血が垂れ、太鼓の音が聞こえたかと思うと死体が落ちてきました。周りを見て逃げます。太鼓の音が遠く鳴り響くなり響き、新蔵人、黒白斎はじめ八幡船の乗組員達は、バランガ族に囲まれていることがわかりました。 翌日、バランガ族が獰猛な土人だということを黒白斎から聞いても、 鹿門「俺は、何としても行く」 頭領の鹿門に万一のことがあっては、という黒白斎に、 鹿門「いうな。頭領だからこそ行くのだ」 新蔵人は、修理の材木がなくてこれから先の航海をどうするのだ、といった鹿門が気に入り一緒に行くといいます。 「舟を出せ」と鹿門がいいます。 続きます。 🎞️『海賊八幡船』前回までの投稿掲載分は、ページ内リンクできるようにしてみました。下記のそれぞれをクリックしてご購読することができます。 海賊八幡船・・・(15) 海賊八幡船・・・(14) 海賊八幡船・・・(13) 海賊八幡船・・・(12) 海賊八幡船・・・(11) 海賊八幡船・・・(10) 海賊八幡船・・・(9) 海賊八幡船・・・(8) 海賊八幡船・・・(7) 海賊八幡船・・・(6) 海賊八幡船・・・(5) 海賊八幡船・・・(4) 海賊八幡船・・・(3) 海賊八幡船・・・(2) 海賊八幡船・・・(1)
炎の城・・・(5) 2024年06月15日
炎の城・・・(4) 2024年06月06日
炎の城・・・(3) 2024年05月27日
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