映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

東京はホワイトクリスマスになりませんでしたが、他の地域ではホワイト・クリスマスを体験した方もいらっしゃるようですね。
ちょっとおそくなりましたが、こんなクリスマス・ストーリーはいかがでしょうか。

（C）2009 Overture Street Films, LLC
映画「やさしい嘘と贈り物」
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やさしい嘘と贈り物
LOVELY, STILL
出演マーティン・ランドー　エレン・バースティン

小さな町に一人で暮らす老人ロバートは、孤独な日々を過ごしていた。そんなある日、メアリーという美しい女性に出会い、彼の味気ない日常は心ときめく日々へと変わっていく。しかし、実は彼が恋した女性は自分の妻であり、認知症で記憶をなくしたロバートを家族が見守っていたのだった……。

いつもロバートが夢を見ている時に、赤い糸のようなものが映像に現れる。そしてはっと目覚めるロバート、というパターンが何度か続く。ところが回を追うにつれて、このもやもやした映像の中に写真が挿入される。これは幻想なのか、それとも現実なのか。
スーパーで絵ばかり描いていて何も仕事をしているようには見えないロバート。だが社長の若い男は彼を叱るでもなく、優しく話しかける。仕事のできなそうな若い男はすぐに首にしようとしたのに、である。
ロバートが戻ってくると見知らぬ老婦人が彼の家に入っている。向かいに住んでいると言うが、鍵は一体どうしたのだろう？初めて会ったばかりだと言っているのに。
夫人の娘は「母さんはそれでいいの？うまくいきっこないわ」と言い出す。

このように、クエスチョンマークがいくつも続く場面が現れるが、なかなか種明かしはされない。季節はクリスマス。街のイルミネーションがいかにもクリスマスっぽくて華やぐ中を、出会ったばかりの老人カップルがそぞろ歩く、とても微笑ましい風景だ。その光景に射す影は、突然起こるロバートの不機嫌。そして薬の数を気にするメアリー。
この薬については、私は全く逆の事を考えていた。メアリーが老い先短い病にかかり、そのために窮余の策でこの手段を取ったのかと思っていたのだ。大切なものを失ったロバートに家族も皆もとても優しい嘘をつく。クリスマスに見るに相応しいファミリームービー。

制作はロバートを演じたマーティン・ランド―。