一部性描写を含みます。性描写が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
瑞姫は夫の部屋の床ですすり泣く少年の方へと駆け寄ると、彼はじっと彼女を見た。
『奥様でいらっしゃいますか?』
『ええ、そうだけど? あなたは?』
『わたしはセシェンと申します。ルドルフ陛下に本日よりお仕えすることになっております。』
セシェンの言葉を聞いた瑞姫の眦が少し上がったのを、ルドルフは見た。
「あなた、一体これはどういう事ですの? わたくしにも解るように説明して下さいな。」
慇懃無礼な口調で瑞姫がルドルフにこうやって尋ねる時は、彼女が怒っている証拠だ。
「あの子は、リーシャ様がわたしに貢物として贈ったんだ。わたしは彼を受け取る気はない。」
「あら、そうですの? てっきりあなたは殿方の方にも興味がおありなのだと誤解してしまいましたわ。」
瑞姫はそう言って笑ったが、目は全く笑っていなかった。
それもその筈、夫の部屋に見目麗しい異国の少年が居るのだから、彼女に誤解するなと言っても無理である。
「ミズキ、信じてくれ。お前の部屋に行くから・・」
「申し訳ないけれど、月のものが始まってしまったの。当分セックスはお預け。」
瑞姫は自分を抱き締めようとしたルドルフの腕からするりと抜け出した。
「そのセシェンとかいう子と楽しんでくださいな。」
「ミズキ、違うと言っているだろう?」
「もう聞きたくありませんわ!」
瑞姫はルドルフに背を向けると、部屋から出て行った。
どうやら彼女を怒らせてしまったらしい。
自分にはそのつもりはないのに、彼女は異国から貢物として贈られた少年と自分が疚しい関係にあると思っているらしい。
『奥様、お怒りのようですね。』
『誰の所為だと思っているのですか? それにわたしは身の回りのことは自分でできます。』
ルドルフの言葉を聞いたセシェンは暫く泣いていたが、再びルドルフに取り縋った。
『どうか、どうかわたくしを捨てないでくださいませ!』
(何だ、こいつは・・)
セシェンをどうするかルドルフは迷いながらも、早く瑞姫との誤解を解かなければと少し焦り始めていた。
「ミズキ、入るぞ?」
何とかセシェンを振り切り、瑞姫の部屋のドアをノックしたルドルフだったが、中から返事がなかった。
彼が寝室に入ると、ドレッサーの前で髪を梳かしている彼女の姿があった。
「ミズキ、さっきの事を怒っているのか?」
ルドルフがそう言いながら瑞姫に抱きつくと、彼女は悲鳴を上げた。
「こんな事をしても無駄ですわ。わたくしはまだ怒っているのですから。」
瑞姫はルドルフを睨みつけながらも、キャミソールの中へと入る彼の手を止めようとはしなかった。
「そう言いながらも、嫌がってるようには見えないが?」
「嫌な人。」
瑞姫が振り向くと、ルドルフは彼女の唇を塞いだ。
縺れ合うようにして寝台へと倒れ込み、ルドルフが我武者羅に瑞姫の乳首を赤ん坊のように吸うと、彼女は甘い喘ぎを漏らした。
「待って、これを。」
ルドルフの手が瑞姫の秘所を弄っていると、彼女はサイドテーブルの中からコンドームを取り出した。
「仕方無いな・・」
ルドルフが瑞姫の中に入ると、そこはいつも以上に濡れていた。
互いに絶頂に達した後、瑞姫は荒い呼吸を繰り返しながらルドルフの隣へと倒れ込んだ。
「こういうのも、燃えるな。」
「もう、あなたったら。」
瑞姫は苦笑すると、ルドルフの唇を塞いだ。
「今夜は口で慰めてあげますから。」
そう言うと彼女は、ゆっくりとルドルフの下腹部に顔を埋めた。
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