「私と結婚してください、ステファニーさん。」
エドガーのプロポーズに、ステファニーは涙を流した。
「はい・・」
「ではこの舞踏会が終わったら、すぐにでもウィーンの両親に手紙を・・」
「ちょっと待った!!」
エドガーとステファニーが連れたって広間を出ようとすると、2人の前にアレクセイが立ちはだかった。
「アレクセイさん、お久しぶりですわね。」
ステファニーはそう言ってアレクセイに手を差し出した。
アレクセイはその手を掴み、強引にステファニーを広間に連れて行った。
「ちょっ、離して・・」
ステファニーの抗議の声を無視して、アレクセイは踊りの輪の中に加わった。
「一体これはどういうこと?」
ステファニーはそう言ってアレクセイを睨んだ。
「あなたを、あの男から奪う。」
アレクセイはステファニーの唇を塞いだ。
「ステファニーさん・・」
踊りの輪に加わったステファニーとアレクセイを見て、エドガーは信じられないといった表情を浮かべた。
広間でどよめきが起き、そちらを見てみると、なんとアレクセイがステファニーにキスをしていた。
アレクセイはステファニーの肩越しに勝ち誇った笑みを浮かべた。
「エドガー様、ごめんなさい。あの人が勝手に・・」
ステファニーはそう言ってエドガーに何度も謝った。
「私は怒ってませんよ。それよりも・・」
エドガーは友人達と談笑しているアレクセイを睨んだ。
アレクセイはエドガーを挑発するかのように勝ち誇った笑みを浮かべ、エドガーの方へとむかって来る。
「彼と、話をしてきます。」
「ええ、ここで待ってますわ。」
エドガーは、アレクセイの頬を打った。
「貴様、舐めた真似を!」
「お前からステファニーを奪ってやる。」
アレクセイは口元に滴る血を乱暴に拭いながら言った。
「ステファニーをお前から奪ってやる。ステファニーを手に入れるためなら、どんなことだってしてやるぜ。じゃあな。」
アレクセイはそう言ってエドガーの元を去ろうとしていた。
「待てよ、まだ話は終わっていない。」
エドガーは乱暴にアレクセイの腕を掴むと、彼を睨みつけた。
「私はお前を必ず排除する。それだけ覚えておけ。」
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