名張
名張市は 三重県西部 伊賀地方に位置する市。万葉の昔から宿駅として開け 壬申の乱に際して 大海人皇子が東国へ逃れる際にも当地を経由。墾田永年私財法の施行以降 東大寺の荘園として人口の増加が始まり集落として発達し始めたのです。その後 自治勢力が武装し 「黒田の悪党」と呼ばれ荘園支配から逃れようと 地主に対抗したことで中世日本史に名を残す地域です。荘園支配に抵抗してましたが 実際に東大寺との関係は深く 年中行事の お水取りでは当地で伐採された木材が使用されるなど名残が有ります。しかし 宗教文化が実際に この地に花開いているわけではなく 華々しく飾られた今風の宗教施設のほかは山村地域に枯れた風景を彩る山寺が散見されるだけとなっています。「黒田の悪党」と呼ばれる集団は 独特の戦闘知識や薬学体系を背景に 後に忍者と呼ばれる存在になるのです。その中でも 「伊賀忍者」の名前は 有名なので 発祥の地は北に隣接する伊賀であると誤解されていますが 実際は伊賀地域に広く忍者の生活・活動した跡が見られ その中でも支配的地位にあった上級の忍者 (上忍三家) は名張に拠点を置いていました。伊賀忍者の技・術・道具などの展示は赤目四十八滝入り口付近にある展示施設で行われています。1579年から1581年にかけ 忍者による陰謀が発端となり 織田信長親子による伊賀忍者殲滅作戦、天正伊賀の乱が二度にわたって展開され 名張の地は 事実上焦土と化したのです。現在は 「天正乱れ太鼓」 などの伝承で当時の様子が物語られています。ここも仕事で行きました。忍者修行ではありません。市長さんと会って工場用地買収です。●赤目四十八滝●青蓮寺ダム●香落渓 (カオチダニ) ●夏見廃寺