まず自分が変わること
忘れ得ぬ会見の一人は、アメリカの大経済学者のレスター・サロー博士である。(略)私にとっても、誠に実り多い対話となった。博士は語られた。「《まず自分が変わる》ことが先決です」「変化は、トップからやるべきです」「本当のリーダーは、《この人についていきたい》と人に思わせ、納得させる人です。皆が自発的についていくのがリーダーです」と。私たちと相通ずる、明快な指導者論であった。惰性ではない。刷新である。押しつけではない。励ましである。リーダー率先の決意新たな「人間革命」への挑戦から、一切の回転が始まるのだ。 ◇「二十一世紀のフロンティア(開拓最前線)とは、何でしょうか?」私が尋ねると、サロー博士は即答された。「地理的な探検はやりつくされていますが、《精神世界の探検》には、ニューフロンティアが残されています。そこで、宗教の問題になります」宗教には《人間を向上させる力》があります。《人間は、よりよく成れるんだ》ということを、宗教は資本主義社会の中で教えるべきです」時代の「急所」を突いた論点であった。「精神の世界」「生命の世界」こそ、いよいよ本格的に人類が挑むべき、最大のニューフロンティアである。「人間を向上させる力」をみなぎらせた仏法を実践し行く、わが創価の青年群こそ、この新たな人類史を開拓しゆく、“先鋒”であることを、誉れも高く自負されていたのだ。【随筆 人間世紀の光143】聖教新聞07・10・12