「リストを作る」その2
「リストを作る」その1の続き。「やることリスト」を作成し、それをベースに勉強を進めていくことがなぜ成績アップにつながるのか。「やることリスト」にはいくつものメリットがあり、それが相重なって成績アップにつながる。まず1つ目。やることリストを書くことで、まず各科目の全体図を頭に整理することができる。何の科目にどれくらいやることがあるか、これからやるテスト勉強の全体像を把握できるのだ。中学生(特に成績が芳しくない中学生)に足りないのは、この「全体像を把握する視点」である。やることがたくさんあるにも関わらず、テスト間際までのんびりしていて、直前になって慌ててワークや問題集を仕上げるので精一杯の中学生は、まさにこの視点が足りない。5教科あるいは9教科でどれだけやることがあるのかという全体像が全く把握できていないのだ。ゴールまでの道のりの全体像の把握なしでは、ペース配分も何もできない。試験前、まず最初にこれから進んでいく道のりの全体像を把握することが、最も大切なのだ。次に2つ目。「やることリスト」を書くときのルールに、優先順位の高い順番に書くというのがある。つまり、やることリストを作成している時点で、勉強の優先順位を考えているということになる。勉強や仕事において、優先順位を考えることが重要極まりないのは論を待たない。優先順位を言い換えれば、「段取りをつける」ということ。段取りが悪い人に仕事ができる人はいないのと同様、段取りの悪い中学生に成績の良い生徒もいない。全体像を見渡した後、それぞれの課題に優先順位を付けながら、冷静にゴールまでの進むべき順路を考えること。これこそがやることリストの最大のメリットだ。後は、そのリストに沿って実行していけば良い。もちろん、途中での優先順位の変更や、思いもよらない課題が舞い込んでくるときもある。そんなときは、やることリストに修正や加筆を加えながら進めていけと、生徒に指示している。やることリストという一枚の紙に、すべての情報を集約させる。そしてそれを指針にしながら、思いつきでなく計画的に、気分でやることを決めるのではなく戦略的に次の行動を考える。それが合計9割の壁を乗り越えるには欠かすことのできない勉強法であり思考法なのだ。