埴生の宿Home Sweet Home-Amelita Galli-Curci
アメリカ国益第一主義のトランプ大統領が誕生し、やはり覇権主義で核心的利益は譲らないとする強欲な中国の習近平主席との確執は必至で、世界情勢は危険な状況となり、悪くしますと戦争の懸念さえ感じられる様になりました。そんな風に考えていますと、戦争の悲惨さを描いたアニメ映画「火垂るの墓」(Grave of the Fireflies)を思い出してしまいます。親を亡くした14歳の兄である清太と4歳の妹の節子が、共に栄養失調で悲劇的な死を迎えていく姿を描いたストーリーには毎回涙無しには観られません。挿入歌はアメリータ・ガリ=クルチ(Amelita Galli-Curci)の「埴生の宿(Home, Sweet Home)」で、1908年の録音らしいのですが、幸せだった時代を懐かしむ美しい歌声はストーリーにマッチしていて、脚本・監督の高畑勲氏の力量に感嘆させられます。Home,Sweet Home 埴生の宿 「火垂るの墓」挿入曲【ビクターSP盤】 Amelita Galli-Curci戦火の下、親を亡くした14歳の兄と4歳の妹が終戦前後の混乱の中を必死で生き抜こうとするが、その思いも叶わずに栄養失調で悲劇的な死を迎えていく姿を描いた物語。愛情と無情が交錯する中、蛍のように儚く消えた二つの命の悲しみと鎮魂を、独特の文体と世界観で表現している。アニメ映画「火垂るの墓」(Grave of the Fireflies)は、1988年東宝系で公開された。監督・脚本は高畑勲。挿入歌はアメリータ・ガリ=クルチ(Amelita Galli-Curci)の「埴生の宿(Home, Sweet Home)」が使われた。清太の死が冒頭で描かれ、幽霊になった清太の「僕は死んだ」というナレーションから始まってカットバックしていき、神戸大空襲から清太が死地となる駅構内へ赴くまで原作の構成を忠実になぞっているが、後半部分の演出、特に節子の死のシーンの描写や、ラストで清太が去って行った後の山から見える景色が現代の神戸の街のシルエットに繋がる構成などはアニメオリジナルである。作中で画面が赤くなる時は、清太と節子の幽霊が登場し近くで見ており、阿修羅のように赤く演出されている。