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2021/05/07
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テーマ:柴犬同盟(13570)
カテゴリ:

 ​我家は山辺の里山のようなところだ。
家にいたシバワンコは、どこまで自分の縄張りと思っていたか知らぬが、広すぎる警戒範囲で気が休まる間もなかったかもしれない。
当然ノラニャンコやタヌキ(冗談ではない。一度、本当に来た)が闊歩する楽園であり、そいつ等はワンコにとって許せない侵入シャであったろう。発見するや否や、けたたましい声で吠え、移動が可能であれば限界まで追いかけまわした。ニャンコは背中を山なりに反らせ、窮鼠ならぬ窮猫の体であった。

そのワンコも歳と共に争いを好まなくなり、網戸を挟んで対峙しても吠えて威嚇するような元気も無くなった。ニャンコの方は飛び出してこないのを承知しているのか、慌てるそぶりも無く見つめるだけ。
気儘に暮らせる自分の方が幸せだと思っていたのかも知れない。



それから1年、シバワンコは15歳になり、
眼も鼻も衰えニャンコの接近にもすぐには気付かなくなった。とうとうニャンコは家の敷居を跨ぎ、写真の場所まで侵入した。
若い頃のワンコならただではおかなかったろう。少なくとも歯を剥いて威嚇したはずだ。しかしこの時は「何が来たのだろう?」という反応で、写真の通り敵対している顏ではない。ニャンコもいざとなれば外に逃げられるようにはしているが、臨戦態勢ではない。お互い動かず、しばらくこの距離を保ったままだった。


それから1年半、ワンコは天寿を全うし旅立っていった。
ニャンコは守衛さんのチェックも受けず、堂々と家の中に入って来るだろうと思っていた。しかし、一歩たりとも敷居を跨がず、相変わらず家の周りを自由気儘に歩き回っている。

ひょっとするとニャンコはワンコとお友達になりたかったのかも知れない。
ぼくは見ていないが、ワンコに死期が近づいていた頃、縁側の日溜りに寝かせていたことがあった。ニャンコは外から近くまでやって来て、同じように日向ぼっこをしていたと言う。心配してお見舞いに来たのかも知れない。

このニャンコは優しい性格のようだ。弟分をいつも従え、弟分が喧嘩で怪我をすれば傷を舐めてやっている。
少しは懐き、お腹を撫でてやるとゴロゴロしているので、抱き抱えるように家の中に連れてくると、脱兎(猫だが)の如く一目散に逃げだす。
「うちの子にならんか?」と言っても、気儘な野良生活が性に合っているらしい。今日もどこからともなく現れる。







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Last updated  2021/05/10 05:46:15 PM
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