ビッグイシュー305号
「ビッグイシュー305号」ゲット。表紙は「ラ・ラ・ランド」でアカデミー主演女優賞を獲ったエマ・ストーン。アカデミー賞競争で最有力の彼女を採用するのは、ちょっとあざとい気もするが、マア悪い作品ではなかったので、「ビッグイシュー表紙に外れ無し」説は、まだ継続している。 特集の「出ひきこもりー"対話"へ」は、ちょっとショッキングな内容だ。 認知症800万時代と言われたのが、去年である。今年は、ひきこもり160万時代と言われるかもしれない。内閣府は2016年の調査でひきこもり54万人と発表した。しかし、これは15歳から39歳迄の人数である。斎藤環さんは、他県の実体調査の結果とリンクさせると、40歳以上のひきこもりを100万人と見る。 ひきこもりが長期化すると、どうなるか。「7040」「8050」問題も起こる。70,80代の親と、収入の安定しない40,50代の子どもが同居する世帯が、困窮に追い込まれてゆく問題である。 一方、ひきこもりは、発達障害を伴うことが多いそうだが、それでも認知症やホームレス、或いは生活保護問題とはまた違う深刻度と希望があることもわかった。 いつか、ホームレスや生活保護になってゆく危険もあるものの、一方ではひきこもりの当事者たちの「能力」は高いのである。うまいこと社会復帰すれば、それは国の財産にもなるだろう。 問題のカギを握るのは「対話の力」だと斎藤環さんは言う。「オープンダイアローグ」という治療法で、短時間で成果があり「ひきこもり新聞」というメデイアを立ち上げるまで回復した木村ナオホロさんのような事例もある。ひきこもり経験者のインタビューを読むと、あゝ世界には様々な生き方をしている人、生き方しかできない人がいるのだな、と改めて思った。 2017年3月6日読了