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テーマ:映画館で観た映画(8570)
カテゴリ:邦画(05・06)
東映実録やくざ映画の代表作「仁義なき戦い」シリーズを、深作欣二監督と笠原和夫脚本が再編集した映像。ビデオ、DVDでは発売されていない。昭和48年の「仁義なき戦い」から「仁義なき戦い広島死闘編」「仁義なき戦い代理戦争」昭和49年「仁義なき戦い頂上作戦」全4部400分を224分に編集している。(それでも3時間44分。途中で「休憩」が入った。)倉敷東映で鑑賞。
監督深作欣二 脚本笠原和夫 原作飯干晃一 出演菅原文太、松方弘樹、金子信雄、梅宮辰夫、田中邦衛、北大路欣也、梶芽衣子、千葉真一、小池朝雄、成田三樹夫、小林旭、渡瀬恒彦、加藤武、山城新伍、川谷拓三 私は深作監督の「バトルロワイアル」を誰がなんといおうと「反戦映画」だと思っている。(「2」のほうは全然評価していないが。)監督自身も言っていたが、現代の若者にぜひ見てもらいたい擬似戦争体験なのだ。「世界は兄弟」といっていた昨日とおさらばして友達同士が殺しあうのが戦争なのだ。 さて公開時にはおそらくほとんどの人が気が付いていなかったのだろうが、この「仁義なき戦い」シリーズも強烈な反戦メッセージがこめられた作品である。話はご存知、広島やくざの、戦後すぐから昭和40年ごろまでの「抗争」の話。「仁侠映画の持つ義理人情は微塵もない、策謀と裏切りが渦巻く血みどろの抗争を手持ちカメラを多用して迫力ある映像に作って」いる。冒頭は原爆のきのこ雲のスチールから始まる。ナレーションは「戦争という暴力は終わったが、戦後の秩序なき世界で若者は新たな暴力の世界に身を投じようとしていた」というような言葉で始まる。コンパクトにまとまっているからこそ、時系列がいったり来たりしても、一番描きたかったのは、「戦争」で一番最初から最後まで犠牲になるのは「若者」である。といいたいのだということがよーく分かった。「広島死闘編」での腹黒い組長のことを信じながらヒットマンとして死んでいった北大路欣也。「代理戦争」で不良の息子を組長である菅原文太に預けに来る貧しい母親。しかし、その息子が抗争で死に、葬儀の最中に襲われて骨壷が砕け、泣き潰す母親の場面。「頂上作戦」ではまだ残っていた「原爆スラム」に住んでいる若者が金のために人を殺す場面も出てくる。そうして最後は組長クラスは一人も殺されず、みんな豚箱に入れられ、終焉を迎える。ナレーションは「大勢の若者が死んだが、得たものは何も無かったといっていい」というような言葉で終わる。そして途中何度も何度も出てくる原爆ドームの映像。私は想像以上に反戦のメッセージがあったことに今日はものすごく驚いた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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