極刑空間

『星空のメモリア』感想　第三十三回

“小河坂千波”編

「蒼ちゃんに聞いてね、恋人としてすることってなにがあるか聞いたの……」

衣鈴は何考えてんの？

「そんな姿じゃケガするかもしれない。早く着替えてこい」

意外にまともなことを言う洋。

うん、詩乃さんに見られて家族会議になる前に引っ込んだ方がいい。

昼、千波とオルゴール堂でデート。

「これが、カレイドオルゴール……」

夢中になって万華鏡を覗き込む千波の姿に、メアを重ねる洋。

そう言えば、最近メアに会っていないな…。 

「千波、また、天体観測やりたいな」

「みんなと一緒に……お兄ちゃんと一緒に、たくさんの光を見上げたいな」

恒例のセリフではあるけど、千波に関しては「悪夢を克服した」という印象が薄い。

それだけ心の歪みが表に出ていなかったということで、このゲームには珍しく安定感のある娘だな。

家に帰り、裸エプロン姿の千波とイチャつく洋。

「お兄ちゃん、子供じゃないんだね……」

「おまえに言われるとムカつく」

「ここに到ってまでぐりぐりするお兄ちゃんには頭が下がる思いだよ！？」

俺は母親在宅中に台所でセックスを敢行するお前らに頭が下がる思いだよ。

もう好きにしたらいいじゃない…。

学校、大河とレンが歩いている。

昼間なのに、レンは姿を現している……夜限定じゃなかったのか。 

「億を超える星々が高次元領域を広げ、それで初めて私の姿が人の目にも映りますから……」

「さしずめ星空がドームスクリーンで、隕石が投影機ってところか」

そう、だからメアの投影機もどこかにあるはず……。

レンと世間話をしながら、つらつらと自分の生い立ちを述べる大河。

はっきり言ってどうでもいいわ。

「キミは、結局は身を引きました……。あの二人を再会させたのは、キミなんですから……」 

「彼の命があとわずかと知って……歌澄さんに会わせようと決意したんですから……」

それで昔の男に走ったのは歌澄の問題。

そして千波父の死後、歌澄は大河の支援を拒み、一人の力で子育てをして、結果力尽きた。

本当、何やってんだろうな……。

大河と歌澄の出会い。

大学休みを利用して、各地のプラネタリウム巡りをしている途中、大河は当時中学生だった歌澄と出会い一目惚れし、彼女と再会するために教師になることを決める。

「俺は、歌澄とケッコンするぞーーーーっ！！！」

十人中十人が同じセリフを言うだろう。

こいつロリコンだ！！！

学校の前、大河を待ち伏せする洋と千波。

修理が終わったオルゴールを回収するついでに、大河に顔見せするつもりらしい。

「お兄ちゃん……千波も、一緒にいるからね」

やがて、校舎から人が出てくるのを確認し、二人は歩き出すのだった…。

流れるエンディング。

思ったより終わるのが早い……切る場所間違えたな。

エピローグ、新学期が始まった。

「おまえ、くっつくなって」

「いいんだよっ、千波たちは恋人同士なんだからねっ」

「……仲がよろしいことで」

「ふたりはお似合いの兄妹だと思いますっ」

あけっぴろげだなぁ。

少しは世間体とか気にしないのか

天クルは部活に昇格。って遅っ。

普通のルートならプロローグで新学期開始、部活昇格がデフォだと言うのに。

洋は、三島大河に顧問を頼むつもりらしい。

「……私も、三島先生が天クルの顧問なら賛成です」

「……恩が、ありますから」

「あ……もしかして」

「……言わなくていいから」 

衣鈴は鈴葉ちゃんにだけは事情を話した様子……一歩前進したか。

いつものように遅刻寸前の時間になり、洋の腕を抱えたまま、走り出す千波。 

「千波、この体勢のまま走るのか？」

「それは愚問だよお兄ちゃんっ」

「千波は、いつだってお兄ちゃんのそばにいるからねっ」

「千波たちは、ずっとずーーっと家族なんだからっ」

- Wisu up on a shooting star -

FIN.

わー、ぱちぱち…。

……う～ん、こうなったか。

親のことなんか放置して、千波はもっと暴れてもよかった。

エンディング直前に本気を出すなんて、スロースターターにも程があるぞ。