テーマ:世界を動かす国際金融(373)
カテゴリ:マネー
消されないうちに一部引用しておきます。
「ダボス階級」という単語が出て来ましたね。 1%に満たない世界の支配者w この人達の私利私欲に任せていたのでは、 経済システムだけではない、地球そのものに持続可能性はありません。 ーーここからーー なぜ1%にも満たない富裕層が世界を支配するのか グローバリゼーションによる格差拡大を止めるには ――トランスナショナル研究所フェロー スーザン・ジョージ氏インタビュー 大野和基 【第73回】 2012年2月13日 グローバリゼーションは経済的な恩恵をもたらす一方で、国家間、社会階層間などさまざまなレベルで格差の拡大という弊害を生んでいるともいわれる。我々は今後、もはやその流れを押しとどめることは不可能とさえいわれるグローバリゼーションと、どう向き合っていけばいいのか。反グローバリゼーションの論客として知られ、昨年末に著書『これは誰の危機か、未来は誰のものか――なぜ1%にも満たない富裕層が世界を支配するのか』が日本でも発売されたスーザン・ジョージ氏に聞いた。(聞き手/ジャーナリスト 大野和基) グローバリゼーションは プラスかマイナスか スーザン・ジョージ (Susan George) 1934年アメリカ生まれ、パリ在住の政治経済学者、社会運動家。現在は民間シンクタンクのトランスナショナル研究所フェロー。76年刊行の『なぜ世界の半分が飢えるのか―食糧危機の構造』(朝日選書)が世界的ベストセラーとなり、以後、新自由主義的グローバリゼーション批判の急先鋒として知られる。近著は『これは誰の危機か、未来は誰のものか―なぜ1%にも満たない富裕層が世界を支配するのか』(岩波書店)。 ――グローバリゼーションは恩恵とともに、格差の拡大のようなマイナス面ももたらしたが、全体的に見てマイナス面よりもプラス面を多くもたらしたと思いますか。 まず最初に、私は「グローバリゼーション」という言葉を単独では使いません。修飾語がないと、あまり意味がないと思うからです。この30年間、我々が経験してきたのは、「新自由主義のグローバリゼーション」であって、それは格差を拡大することしかしなかったと思います。 さらに、グローバリゼーションというのは誤解を招く言葉です。みんなが一つの幸せな家族であり、お互いの手を取り合って、約束の地に向かって行進しているような印象を与えるからです。それはまったく真実ではありません。 いままで何度も指摘してきましたが、グローバリゼーションというのはベストな人、ベストな国、さらにそういう国のベストな部分だけを見て言っており、残りの莫大な数の人や地域を除外しています。ですから全体的に見れば、グローバリゼーションは失敗しています。 例えば、中国は貧困レベルを減少させるのに大きな成功を収めましたが、インドはそれほどではありません。彼らは確かに自由貿易から恩恵を得ましたが、世界中の貧困という観点からは、グローバリゼーションから得たものはほとんどないのです。 ――まったく同感です。 ある特定の社会の、特定の部分は間違いなく恩恵を得ました。しかし、能力がないと恩恵を受けることはできません。また、「移動可能」という性質がないと恩恵を受けることはできません。あまりスキルがなかったり、場所が固定されていたりする場合は、グローバリゼーションから恩恵を得ることはできないのです。 恩恵を受けたのは ごく一部の「ダボス階級」のみ ――つまり、いま我々が直面している危機を起こしたのは、多国籍企業の、新自由主義のエリートということでしょうか。 そうです。私はそれを「ダボス階級」と呼んでいますが、グローバリゼーションはそういう非常に少数の階級の人にだけ完全な自由を与え、彼らはできるだけ速く大儲けをするべく規制を緩和し、国営のものを民営化するためにその自由を利用してきたのです。 しかもこのシステムは長期的なフォーカスを持っていません。長持ちする、包括的なシステムとしては考えられていないのです。市場は万能であり、自己規制が働くというのはまったくのナンセンス。民営化すると何でもうまくいくというのは、完全に間違っています。 私が言う真のグローバリゼーションは、一種の普遍的な、ユニバーサルな福祉国家に向かってさらに進むことであり、いま起きている「新自由主義のグローバリゼーション」ではありません。グローバリゼーションの成功とは、ユニバーサルな福祉国家の実現のことです。 ――それは日本にも当てはまるでしょうか。福島原発事故で露わになったように、会社が儲けたときは利益は会社が獲得し、このレベルの大事故が起きると国民がその損失の負担を負う。こういうシステムは筋が通らないと思いますが、どうでしょうか。 あなたの言うとおりです。だから我々はいま、モラルの危機にあるのです。罪を犯した人が罰せられず、この危機を引き起こしたことにまったく関係のない、罪のない人が一番苦しんでいます。罪のない人が罰せられ、罪を犯した人が報われているのです。 (リーマンショックの)2008年以前と比べると、「ダボス階級」ははるかに権力を持ち、裕福になっています。ここまで彼らが成功することは、私も予想しなかったと言わざるを得ません。まさか可能だとは思わなかったのです。これだけ周囲にたくさんの破綻が存在するのを知りながら、そうした少数の人たちが平気でいるのを見て、一体誰にアドバイスを求めたらいいのでしょうか。 メディアも深くかかわっています。誰をテレビに出して、<我々は何をすべきか>と言えるでしょうか。彼らこそが、この危機を起こした張本人です。信用できません。 グラス・スティーガル法(商業銀行業務と投資銀行業務の分離)の再制定もできなかったし、ドッド・フランク法(広範な金融取引の規制法)はまだ適用もされていません。そもそも非常に弱い法律です。驚くべきことではないと思いますが。 現在のシステムは 「持続可能」か? ――いま我々がいるシステムは持続可能なものだと思いますか。 ほとんどの人にとっては「ノー」です。ウォール街占拠運動(OWS)はシステムを正そうとしたと思います。彼らは1%の富裕層と、それ以外の99%の層をはっきり区別しました。実際の超富裕層は1%よりもっと小さいのですが、今のシステムは、そのほんのわずかな少数派のためだけに機能しています。 ――つまり長期的な観点に立てば、持続可能ではないということでしょうか。 このままいくとbrick wall(れんがの壁)にぶつかり、万策尽きてしまうでしょう。国家債務危機はまだ終わっていません。また回復に向かっているとも思えません。ヨーロッパは破綻する可能性があります。私はいまパリに住んでいますから、ヨーロッパが気がかりです。この危機についてドイツや他の国が、何も真剣にやろうとしないのが心配です。 続きはこちら http://diamond.jp/articles/-/16095?page=4 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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