リクエストがあったが、業務経験の長い歯科医師でないと解りにくいのではないかと思う。というか、歯科医師でも何が起こっているのか意味不明だと思う。
80代男性、左上7、歯髄壊死>Per(根尖性歯周炎:歯髄が壊死して炎症が歯根外に波及している状態)
多分CRの辺縁封鎖が破れて歯髄に細菌感染したものと思われる。2週間程前から痛かったそうだ。
やっと昨日位から痛みが治まった。歯髄があらかた死ぬまでが痛い。ズキズキの激痛だ。よく我慢しましたね。受付が杓子定規だから今日しか空いていないとか言ったのだろう。僕に直電すればのたうちまわらすによかったと思うのだが。
近心根付近の根尖相当部が腫れている。歯ぎしりが酷い方だ。歯のすり減り具合でわかると思う。
内部の歯質にもCR部分にもクラックが多数見える。ここから細菌感染したのだろう。
冠部歯髄は壊死していて空洞になっている。口蓋根は2次象牙質で塞がれているらしく探せない。
頬側の2根には超音波スケーラーのエンドチップが入る。
頬側近心根の歯髄は完全に壊死していたが、
頬側遠心根は完全に壊死してはおらず、痛みを感じ、出血する。少し赤いので分かると思う。
α-TCPの2回法で根管充填したが、1回目で出血した血液がセメントに混ざっているのが見えると思う。
2回目で内部を固めてCR充填して終わった。
こんな感じで1回で処置は終わる。従来法しか知らない歯科医師は驚くと思う。
えっ、こんなことで治るの?!