カテゴリ:もったいない学会
「成長の限界」という本はローマ・クラブ「人類の危機」レポートと題打っての1972年の日本発売なんだが、これを知ったのは高校生の頃、新聞記事かラジオ番組を介してだったと思う。 ああ、オレが死ぬ頃には世界経済は破綻して人類は破局を迎えるのか?・・と思って気になってはいたが、若い頃は仕事や勉強が忙しく、また定住していなかったので、実際にどうすれば良いのか?ということを考え、実践してみようと思い立ったのは定住4年目、2000年に入ってからだ。 このブログはその記録のために2006年に始めた。 この本の内容を理解するには実際に購入して読んでもらうのが一番早いと思うが、それが面倒という方のために簡単にまとめてみたい。 ーーーー 簡潔にいうと 1、総人口 2、天然資源残存量 3、一人当たりサービス生産 4、一人当たり工業生産 5、一人当たり食料 6、環境汚染 7、出生率 8、死亡率 の8つの項目を関連付けつつ、また条件を変えつつ時系列でコンピュータ上でシミュレートした結果の考察だ。 もちろんこうなって欲しくはない、なるべくすべての人類が良い方向に向かうようにというバイアスはかかっていると筆者も語っている。 前提として、人の欲望は限りなく、放置しておけば、幾何級数的に資本投資は増え続けて、人口も増え続ける。しかしこの地球は有限であり、全ての人類が地球から出て行くことは困難、実質的には不可能としている。 今日は「世界モデルの標準計算」がどういうものか?という話だ。 以下がその図で、1900年から2100年まで描かれている。 「標準的」な世界モデル計算においては、世界システムの発展を支配してきた物理的、経済的、社会的関係に大きな変化はないと仮定している。ここにしるされた変数は、1900年から1970年までの実際の数値に従っている。食料、工業生産および人口は幾何級数的に成長し、ついには急速に減少する資源が工業の成長を低下させるにいたる。システムに内在する遅れのために、人口と汚染は工業化の頂点に達したあと、しばらく増加し続ける。人口の増加は、食料と医療サービスの減少による死亡率の上昇によって、最終的に停止する。 となっている。 このモデルが指摘しているよりもっと早く成長をとめるような作用のある突発的なことがら、たとえば戦争とか、伝染病などは無視してきた。いいかえると、このモデルは、おそらく現実の世界で続くと思われるよりも、もっと長く成長を続けさせるという片寄りがある。 このようにして、われわれがある程度の確信を持っていえることは、現在のシステムに大きな変革が何もないと仮定すれば、人口と工業の成長は、遅くともつぎの世紀内(今世紀中)に確実に停止するだろうということである。 とあるように、現在進行中の「新型コロナ」騒ぎはシステム破綻の延命に寄与する。 もちろん二酸化炭素による地球温暖化問題に対応することもシステム延長に寄与すると思われる。二酸化炭素を排出しないということは資源・エネルギーの節減になるということだからだ。 これから起こる可能性の高い戦争もそうだ。 これらが偶然なのか、そうではなく仕組まれたものなのかはまだ分からないが、正攻法でのシステムの延命が難しいとあっては、誰かが仕組んでいるという、その可能性は十分にある。 表題画像は「標準的」な世界モデルと実際の統計との2000年までの比較だが、どうだろうか? 誰でも考えることだが、もし資源がもっと多い、もしくは無制限ならどうなるだろうか?もしかしたらシステムの破綻はないのではないか?と。 次回はそのシミュレーションの話だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022/02/27 08:52:42 PM
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