50代女性、上顎両側7番、歯牙破折
歯ぎしり、食いしばり等のブラキシズムや硬いもの、歯ごたえのあるものが好きな方の一見して分かる特徴として、
歯がすり減っていて、先端がフラットになっている。
歯に縦横多数のクラック(ヒビ)が走っている
歯茎部に虫歯ができやすくCR充填がされている。
隣接面カリエスも多数見られる。
骨隆起が発達している。下顎の舌側、外側の歯根部分に着目してほしい。
などがあるので、気になる方は鏡でチェックすると良い。
最悪の場合、歯牙が破折する。
前回のつづき
https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202211120000/
上顎の両側の7番がこの1年ほどの間に次々に折れた。
この歯もそうなのだが、食事中にぽろっと取れたということだ。
一般に7番の調整は少し6番より低めに調整した方が良い。6番は45番よりちょっとだけ低く。
咬合すると最初に当たるのは45番でさらに噛み込むと67番の順で当たってくる。
調整時にこの事を配慮しないと7番が壊れやすい。
咬合性外傷がある方はなおさらの事だ。
残根というのは抜歯の病名で、保存は不可能だという事を示している。
ま、絶対ではないが、歯根の上縁が歯肉縁下だと型取りして土台なり冠を作ることができないのが保存不可能につき抜歯を宣告される理由だ。
これら2つの残根も近所の歯科医院で抜歯を宣告された。
今日は前回の引き続き左上7番の処置なんだが、保存は可能だ。
この歯は1年ほど前に取れたということで、小峰先生のところでこれ以上悪くならないようにとドッグスベストセメントでカバーしてもらったそうだ。
レントゲン写真と実像写真を見ていただけると分かるのだが、根尖病巣だけではなくフィステルができていて常に排膿している。
要するにこのまま歯冠を作って噛ませるのは難しいと思われるわけだ。
歯根は3本あったはずだが、1本失われていて、2本しかない。
とりあえず根管治療をしてCRでカバーした。フィステル等が治らなければ抜歯再植になる。しばらく経過観察することにした。
届くところまでエンドチップで洗浄してα-TCPセメントの2回法で根管充填
CRでカバーして経過観察。排膿しているフィステルが消えればOK。
消えなければ抜歯・再植となる。