17歳男子、右上6、外傷性の虫歯、自発痛-
バトミントンをしていていつも食いしばっている自覚がある。
テニスや野球をやっている子にも多い。スポーツ一般は歯には良くないと言える。
この手の虫歯は食いしばったり歯ぎしりをしたり硬いものを好んだり、強すぎる咬合力が歯にクラックを生じさせ、そこから虫歯が進行することによる。
この症例は虫歯の進行速度より2次象牙質の形成速度が大きかったので痛みは出なかったようだ。もしくはすでに歯髄は死んでいたのかもしれない、処置中は痛みを感じなかったようだ。
内部の象牙質の半分ほどは失われていたので、通常治療では神経を取って冠を被せることになるが、今回はなんとかCRで再建して経過観察することにした。
この手の大きなCRによる欠損修復は技術的には難しいのでより簡単で経済的メリットの大きい通常治療をすることになるが、それは人生50年時代の修復方法だ。80年以上生きる現代では通用しない。神経がない歯は長持ちしないからだ。
処置はいつも通りで、3MIX+α-TCPを使っている。ストリップスは使っていない。辺縁封鎖を目視で確認できないからだ。
この手の修復にはセメント合着系のインレークラウンは使えない。なぜなら辺縁封鎖性はお話にならないくらい良くない。そんなものが今だに使われている理由はどこかに書いたことがあったと思うが、またそのうちにアップする機会があると思う。
今回は鏡像と実像の2種類の画像をアップしておきたい。
鏡像
息肉は麻酔下で電気メスで除去した。歯には麻酔をしていない。
どうやってコンタクトを作る(剥がす)のだろうか?
実像