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カテゴリ:手形法
裏書は手形を譲渡する人が、譲渡される人の名前を手形裏面に書くことです。 手形の裏面に書くから「裏書」と言うのだと思います(多分)。 では、裏書にはどんな効力があるのでしょうか。 まずは裏書は手形を譲渡するための手段ですから、 当然手形の権利を移転させる効力があります。 条文もあります。 第十四条 裏書ハ約束手形ヨリ生ズル一切ノ権利ヲ移転ス (引用者注・「為替手形」を「約束手形」に置き換え。以下同じ) 次に、裏書された人は振出人が払えなくなった場合、手形に書かれた金額を払わねばなりません。 例えば、清水貴君が100万円の手形を蒲原達樹に振り出し、 蒲原達樹が三島裕子さんに裏書して譲渡した場合を考えましょう。 もし、清水君が払えなくなった場合、蒲原は三島さんから100万円の請求を受けます。 これは、裏書されればされるほど請求できる人が増えていくので より手形を流通させることができるだろうと言う考えから生まれたものです。 (ただし、実務では手形の満期前に手形が譲渡されることは、 満期を待っていられないくらい振出人の資金状態が悪いと判断され、裏書の多い手形ほど信頼されないこともあるそうです) ちなみにナニワ金融道ではこの性質を利用して ハナから保証人にする目的で裏書をさせるシーンが時々出てきます。 ですから、何も受け取っていないのに「手形に裏書して」と言われたら保証人にするつもりなのではないかと疑ってくださいね。 また、裏書に権利移転の効力があるということは 逆にいうと裏書が連続している手形を持っている人は ちゃんとした手続で手形を手に入れたものと考えられるので 正当な権利者であると推定されます。 条文もあります。 第十六条 約束手形ノ占有者ガ裏書ノ連続ニ依リ其ノ権利ヲ証明スルトキハ 之ヲ適法ノ所持人ト看做ス (以下略) (引用者注・「為替手形」を「約束手形」に置き換え。以下同じ) つまり、裏書さえ連続していれば相手から「お前は無権利者だ」と 立証されない限り、手形に書かれたお金を請求できます。 これはかなり強いですね。 皆さんも手形を手に入れるときは裏書をちゃんと点検しましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年08月10日 00時38分21秒
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