処分された多くのいのち
宮崎県での平成18年度の犬猫の殺処分数を県衛生管理課にお聞きしましたのでホームページに掲載いたしました。 ■宮崎県の動物管理所での犬猫の殺処分数 (中核市の宮崎市を含む) 犬 3,480頭(内子犬 1,032) 猫 3,709匹(内子猫 3,113)合計 7,189匹■宮崎市だけでは、犬 530頭(内子犬 134) 猫 714匹(内子猫 603)合計 1,244匹 この数字を見ると、猫に関しては85%が子猫であることが分かります。ほとんどが生まれて間もない目の開いてない赤ちゃん子猫・・・、そして、管理所に持ち込むのは、大多数が飼主自身です。(その他、捨て猫を持ち込む人、ノラ猫の子猫を持ち込むお節介な人もいます)一度に生まれた、4~5匹を一人が持ち込むと計算すると宮崎県全体では、700人前後、宮崎市では、130人くらいの方が管理所に子猫を持ち込んだ計算になります。また、この中には「リピーター」と呼ばれる「生まれたら保健所へ」の方も多くいます。たったこれだけの人間が、不妊・去勢を理解して、飼い猫(または、ご飯をあげているノラ猫)に手術をすれば子猫に関しては、殺処分数はゼロになるのです。 何度も書きますが宮崎県ではこの費用に、毎年毎年莫大な税金、平成18年度は、1億8870万円の税金が投入されているのです。(犬も含みます) また、何度も書きますが、責任は保健所、管理所ではなく、安易に持込む側の人間にあります。 本日も「自宅で生まれた猫を譲渡会に連れて行っていいですか?」との問い合わせがありました。この方の猫は2回目の出産だそうです。「なぜ、不妊手術をしなかったのですか?」と聞くと「しようと思っていたら、すぐ妊娠しました!」と明るく言われました。そうです、猫は年3回も出産も可能で、離乳後、1ヶ月で発情期を向かえ、すぐに妊娠することもありますし、一回の交尾で、ほぼ100%妊娠するのです。猫や犬は、生後6ヶ月を迎えたら、不妊手術を受けることが出来ます。(動物愛護先進国のアメリカ、ヨーロッパの動物病院では生後2ヶ月から手術可能、4月には米カリフォルニア州下院議会にペットの犬猫は生後4ヶ月までに避妊手術を義務付ける法案が提出され論議を呼んでいます。)また、出産した猫の場合は、離乳後2~3週間程度で不妊手術が可能です。 1匹の猫が年2回、4~5匹出産すると、一生の間に60~70匹くらいの子猫を生む計算になります。これだけの数を自宅で飼養し続けるのも、里親さんを見つけるのも、それはそれは大変だと思いますしまた、管理所に持ち込んだ場合、猫に関しては引き取りは有料(730円)ですのでたった一度の不妊手術を受け、繁殖を制限した方が飼主さん自身も精神的にも経済的にもいいのではないでしょうか? 会では、自宅で出産した猫には、必ず不妊手術のお約束をして頂き譲渡会に参加して頂いています。子猫に罪はありませんし、安易に保健所に持込む人間より、自発的に譲渡会に参加したいと思われる方には、私達もお手伝いしたいと思うからです。 私の母は昔から口癖のように「猫に悪戯したら、猫は怖いのよ、3代祟るわよ」と言っていました。 昔からの言い伝えのようですが、無抵抗な小さな命に意地悪や殺生をしないように昔の方が考えた教えなのでしょうね。仏教の教えでも、動物の命を粗末にすると、生まれ変って自分がその動物になり、殺されるという話を読んだ事があります。 物言えぬ小さな命です。私個人としては、3代祟るぐらいの権利を犬猫にも与えてあげたいと切に願います。 環境省や自治体で、一度でも、保健所、管理所に持込んだ人間には、犬猫を飼養する権利を剥奪してはどうでしょうか? どうせなら3代ぐらい・・・皆の大切な税金の無駄遣いもしているのですから。 3月に、会にあった電話です。「数日後に転勤で犬が飼えなくなります。引き取ってください」なぜ転勤を分かっていて犬を飼うのか、自身で新たな飼主を探したのか?を訪ねると「じゃあ、保健所に連れて行きます」と言う答えが返ってきました。頭にきた会の者が「あなたみたいは人は、もう二度と犬を飼わないで下さいね」と言うと「余計な、お世話です!」ガチャンと電話を切ってしまいました。余計なお世話ではないですよ。犬からすると尊いたったひとつの命です、あなたの様な人間に飼われた犬の気持ちを一度でも考えたのでしょうか?犬が管理所に一番多く持込まれる時期は、転勤・引越しの3月がピークとなります。この人達は、引っ越した新たな地で、また犬を飼うのでしょうか? 捨て猫やノラ猫の子猫も誰に拾われるか・・・これも運命の巡り会わせです。先日の茶トラの5匹の子猫は、一人暮らしの独身の若い男性の方が拾いました。どうしてよいか分からず、会に引き取ってほしい気持ちで連絡をくださいましたが、対応した私が、授乳の仕方などをひと通り教えて会員宅で保護している子猫たちが巣立つ譲渡会までお世話をお願いしました。翌日、やはり心配になり、お電話をするとミルク一式を揃え、「譲渡会までは自分で見ます。大丈夫です」と言って、本当に譲渡会まで約1週間しっかりとお世話をしてくださいました。拾われた子猫ちゃん達は、本当に幸せですし、私達も人間ですから、このような方だと会でサポートしたいと心から思います。 最後に・・・管理所での処分は未だに多くの人が「安楽死」と思っていますが決して、安楽死ではありません。殺処分に使われるのは、炭酸ガスで、だんだんと酸素がなくなる窒息死です。それは、一番にコストの問題、炭酸ガスが1番安いからです。 息絶えるまでに10分くらい苦しみ続けるそうですが大きな犬は肺も呼吸も大きいので早く窒息しますが、呼吸の小さい猫、特に子猫はガスではほとんど死なずに生きたまま焼却処分されます。 管理所に持込む人間には、処分室の前に自身で立ち、最後のボタンを押し、焼却まで立ち会い、自分たちがしたことが、どんな残酷なことなのか自身の目で最後まで見るべきだと、私は思います。 また、自分があの犬猫だったら・・・と思いを馳せるべきです。