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カテゴリ:ミュージカル Musical
今回、予想以上にイイ味だしていたのが、執事マックス役の鈴木綜馬さん。
最近ミュージカルをご覧になるようになった方はご存じないかもしれませんが、東宝エリザの初代フランツでいらっしゃいます。そのもっと前、劇団四季時代にも様々な役をなさっていました。『CATS』の鉄道ネコ@スキンブルシャンクスや『美女の野獣』のビースト役などが特に有名でしょうか。 さて、そのマックス@綜馬さん。 ノーブルな美声の素晴らしさは言うまでもなりませんが、今回特筆すべきはその抑えた演技。 ノーマの忠実な執事として感情をほとんど表に出さないマックス。 が、そんな風にポーカーフェイスを貫きながらも、態度の端々にノーマへの愛やジョーへの複雑な想いがあふれてしまう綜馬マックス。 ラスト近くでは、ただの執事ではなく実は・・・、というどんでん返しも。 (この事実を知った時の、かっきージョーの驚きの反応がとても印象的でした) 綜馬マックス、瞳に、ノーマを守り抜こうとする強い意志がらんらんとみなぎっていました。 この役に綜馬さんをキャスティングしたのは大正解でしたね。 そして、無声映画時代の大スター、しかし今はすっかり人々から忘れさられた女優ノーマに濱田めぐみさん。 相当難しいであろうアンドリュー・ロイド・ウェバーのナンバーを、いとも易々と(としか見えない)歌いこなしてしまうめぐさん。さすがです。 今でも自分は大スターだと信じつつ、どこか孤独と不安の影を感じさせる濱田ノーマ。 プライドの高さや心の弱さまでもが、何だか愛おしい。。。 で、物語が始まってから、ずっと気になって仕方なかったのがノーマの年齢設定。 おそらくは敢えてそう創っているのでしょう。ノーマが年齢不詳なのです。 でもノーマがウン十年ぶりに撮影所に乗り込んだ際、アンサンブルさんのセリフに「何千年も生きてるって、感じよね!」みたいなのがあったし、とにかく往年の大スターということが強調されているので、これは70歳を超えたくらいの女性なのかな?という結論を自分なりに出しつつあたったところに、終盤のジョーのセリフで、なんと50歳であることが判明。 50歳! まだまだ若いじゃん!!! 50なら50なりにまだまだ女優として(女性としても)輝けるのに、おそらくは二十歳前後で自分の時計を止めてしまったノーマが切ない。。。 ノーマは出番も歌も多いので、それこそ見せ場だらけですが、私が特に好きなのは、ノーマが久々に撮影所に乗り込んだシーン。最初はあのノーマが気おくれをしていて(!)、やがてやはり自分の居場所はここなのだと再確信する、その心情の変化がとても印象的でした。 余談ですが。 濱田ノーマが言う「キャメラ」(←カメラのこと)の響きが、なんとも言えず往年の大スターっぽくて、大好きでした。 とにかくジョーとノーマは出ずっぱり、マックスも台詞や歌はなくても舞台上でちょろちょろしていることが多く、何より無言の演技で魅せなきゃいけないので、演じる役者さんは大変だったのでは。御三方とも素晴らしい歌&演技で堪能させていただきました。ありがとうございました。 最後にあえて注文をつけるとすれば。 ▲戸井さんの使い方がもったいなさすぎ。綜馬さんとWキャストにして、戸井マックスにしてくれればよかったのに。 ▲脚本的に1幕が長く感じてツライ。思い切って本筋とは関係性のひくいダンスシーンとかは削って、もっとコンパクトにまとめてほしい。2幕は怒涛の展開であっという間なので、余計に1幕が残念。 私は濱田ノーマ・柿澤ジョーのペアのみの観劇となりましたが、もうひとつの安蘭・平方ペアも観るとさらに楽しさ倍増かもしれまんせんね。 脚本を練り直しての再演を希望します。 アマゾン(鈴木綜馬さん) ★宮廷詩人 [DVD]★ ★幸福の王子★ ★若者は待っている★ ★クッキー★(←試聴もできます) アマゾン(濱田めぐみさん) ★ミュージカル「ウィキッド」劇団四季版★ ★ミュージカル「アリス・イン・ワンダーランド」ハイライト録音盤★ ★濱田めぐみ Attitude★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年07月18日 09時21分21秒
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