1457337 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

日々草

日々草

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2006.11.09
XML
テーマ:今が旬の話(414)
  今週末に与党「教育基本法改定案」は、衆院を通過しようとしている。

 文部科学省は、教育基本法改定案を11月に成立させることを前提に、全国学力テスト実施を盛り込む、「教育振興基本計画」の策定にむけて、来年までのスケジュールを立てていたことが明らかとなった。このスケジュールに沿って、今週末10日には衆院を通過させようというのが、与党の予定表である。
(最初から、成立することを前提として、すべてがスケジュール化されているのなら、国会の審議など、どうでもいいこと。茶番だ。これで、民主主義といえるか)

 前の国会後、教育基本法の改定の根幹を、揺るがすような教育に関する新しい問題が、次々に起きている。
安倍内閣の「教育再生プラン」問題、東京地検の『日の丸・君が代』強制に対する違憲判決、いじめ自殺問題、高校の必修科目の未履修問題など、教育基本法とかかわる新たな重大問題が続発している。

 さらに、青森県八戸市では、「教育改革タウンミーティング」で、内閣府が、タウンミーティグ開催前に、与党「教育基本法改定案」に賛成するように、政府が県教育委員会・教育庁に「やらせ質問」の3つのひな型(質問項目案)を送って、発言者に依頼して、タウンミーティングで、発言候補者に発言させていた。いわゆるやらせである。

文化省作成の質問項目案の発言者には、「せりふの棒読みは避けてください」「『依頼されて...』というのは言わないでください。」「あくまで自分の意見を言っているという感じで」などと細かに発言の仕方の注意点まで指示するという手の込みようである。

 タウンミーティングとは、小泉首相が01年の就任直後から「国民の対話」を掲げて始めた、国政への民意の反映、住民参加をめざして始めたものである。開催費用は昨年度は1ヶ所につき、1100万円にものぼっている。小泉政権5年余りで174回開催された。

開催に費やされている税金は膨大である。

このような「やらせ」は、今までにもやられていたに違いない。民主主義の仮面をかぶって、民意を自己に有利に導こうとしている。(民主主義とは相容れないことが公然と行われている。)

これが『規範』を国民に強要している者たちのやっていることである。
『民主主義』を叫んでいる者達の姿なのである。

 論議を重ねれば重ねるほど、論理的矛盾を国民の前にさらけだす「改正法案」、本質が暴露する前に、国会成立をさせねばならない法案。

 教育基本法に書かれている「教育の目的」「教育の方針」は、急いで改正しなければならないような内容ではない。
きわめて、当たり前の、人類が長い歴史のなかで試行錯誤して、到達した普遍的真理である。

世界に誇れるものである。

教育を時の国家の奴隷から解放し、人類普遍的価値への奉仕者になることを高らかに謳いあげたのが現在の「教育基本法」である。

個人の尊厳や基本的人権や自由を身につけた、「人格の完成」をめざすことを目的に掲げているのが、現在の『教育基本法』なのである。

安倍政権のめざす教育は、時の統治機構である『国家』に忠誠で、物言わぬ「国民の育成」を教育の目標の柱の一つに付け加えた。

国民の現在の『教育崩壊』を大々的に宣伝しているのは、国家危機をあおり、それを収拾するのは、「国家」の唱えるお題目・「規範」を有無言わず守らせ、守れないものには、罰則で縛ってしか方法はないと国民を脅す為である。

急がなければ益々混乱するぞと脅しをかけている。

 若者達が、幼く社会性がなく、生きる力を付けないまま、大人になって社会に放り出されて、さまざまな問題が発生しているのは、安部政権のいっている「国家」を愛するモラルが無いとか、自由ばかり強調して義務を疎かにしているとかという「道徳」からきているのではない。

 現代の社会のありよう、まさに安倍政権が最も力を入れている「経済成長」のためなら、なんでもありの経済のありよう、そのための競争が社会の活力だとするような、世界観、そこから生じるもろもろの文化のありよう、とても複雑なところにその原因がある。

子供たちの育ちそびれている原因を、活発に、自由に討議したり研究したりして、教育実践していけるような教師集団を作り出していくことが今一番必用だ。そのような自由な解明、深い研究を自由にできる道ではなく、教師を国家の『規範』実践の手足にしていく道。それが改正案の道だ。そのような学校では、益々混迷し、子供たちは、今以上に荒れて、生きる能力の脆弱なものにしか育たないであろう。益々、いじめは深刻、陰湿化するであろう。

安倍政権は、本気で「教育再生」などしようとしていない。

安倍政権にとって、現「教育基本法」前文の「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである」とした「憲法と教育基本法の一体性」・「車の両輪」を何としてでも、急いで改正したいのだ。
そうしなければ、安倍首相の最も願望し、実現したい「憲法の改正」を日程に上げることができないからだ。
この点で安倍首相は「闘う政治家」である。

憲法改正の先兵として、この「車の両輪」の一方の車輪をまず破壊しなければならぬという至上命令があるのだ。
そのために大急ぎで「改正案」成立をスケジュール化している。
断じて、「教育再生」のためなどではない。

人間性が豊かに開花する社会は、高い品性、知性を開花させる社会だ。
それを実現する社会を否定している大人たち自身が、社会を混乱、破壊に導いていることの反省に立つことなしに、「再生」など絵空事である。

 高い人間的な「人格の完成」を教育の目標に掲げる現行の「教育基本法」は、国家の要請する「国民の育成」を目標にする与党の『教育基本法改定案』に取って代わろうとしている。

その「国民育成」こそ、「憲法改正」の先にある社会に国家が必要とする人間像である。

教育を混乱と破壊に追いやって来た戦後の歴史を、さらに推し進め完成させようとする道が「改正案」の先に見える道である。

明日にも、その法案が、衆院を通過しようとしている。

日本の社会は、今、質的に異なる大きな転換点にある。
そのことを、日本の教師たちはどう考えているか。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006.11.10 06:27:30
コメント(0) | コメントを書く


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

冨士子婆

冨士子婆

カテゴリ

フリーページ

バックナンバー

2024.05
2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12
2023.11
2023.10
2023.09
2023.08

コメント新着

背番号のないエース0829@ 松谷みよ子 「私のアンネ = フランク」に、上記の内…
冨士子婆@ Re[1]:夜来の雨(03/28) ミーシャ1225さんへ ブログの年齢間違…
冨士子婆@ Re[1]:夜来の雨(03/28) ミーシャ1225さんへ お久しぶりです。…
ミーシャ1225@ Re:夜来の雨(03/28) お元気そうでなによりです。 変わりなくお…
背番号のないエース0829@ 学童疎開 「外間邦子 ~ 対馬丸記念館 ~ カテゴ…
幸達@ Re:2018年 明けましておめでとうございます(01/02) 今後ともブログでどうぞ宜しく(=^・^=)
修楽7036@ Re:早春の絵手紙から(孫娘の祝中学入学)(04/07) こんにちは♪  ごぶさたです。 絵手紙 …

お気に入りブログ

源氏物語〔桐壺2〕 New! Photo USMさん

連休の庭 ミーシャ1225さん

レンゲソウと北アル… フォト安次郎さん

ピカさんの夢のある… ピカさん65さん
親仁の意見-50男… 渚のバラードさん

© Rakuten Group, Inc.