ラーメン二郎 横浜関内店(神奈川県)11/05/28/-43
小豚¥750(ヤサイニンニクマシマシアブラカラメ)口に含んだ瞬間、何かが脳の中で叫んだ。「これは…!」そんな曖昧模糊な単語なんか、叫ぶでない。心の底で思う。と同時に、自分の辞書に掲載されている言葉を必死で検索する。間もなくヒット。「神二郎(かみじろう)」ジロリアン達が稀に遭遇するという神がかり的な出来栄えの「二郎」のことをこう呼ぶらしい。私は神も仏も信じない。先の災害の規模を見れば、だれが信じるか。だれが信じられるか。神も仏もいない。その事実を無情にも突きつけられたあの日から3か月。無情にもこの一杯の丼に神を感じてしまった。と同時に疑(うたぐ)ってかかる。まだ麺をすすったまで。豚は?豚の出来は?プースーよし。麺よし。ニンニクよし。それは確認済み。アズスーンナズ豚を頬張る。豚よし。最上級の豚だ。疑ってごめん。安心して神を感じた。そこからは記憶が曖昧模糊(あいまいもこ)。覚えているのはうっかり豚入り(5枚)にしたことに対する後悔の念。それにお口まわりをあの液でベットベトにしたまま退店したこと。すすり、またすすりの無限ループ否(いな)刹那に終焉を迎える有限ループ気づけば店の前で、兵どもが夢の跡。永遠かつ刹那とも呼べる時間軸を凌駕した5分間が終わりを告げた。満足度 ★★★★★(5強)忘れるという人間最悪にして最上の能力を前にしてかおる荘史上「最もに旨い」食い物『二郎』21世紀も初頭にして最も「感動を呼ぶ」食い物『二郎』薬物童貞をしてきっと「薬物作用に最も近しい効果だろうなぁと当て推量させる」食い物『二郎』・人類が生んだ最高傑作・死ぬ直前に食べたい食べ物部門第1位・豚のもっとも旨い食い方・ニンニクのもっとも下卑た食い方・恋人以上SF未満・息子につけたいけどつけられない名前部門第1位・トリコのメインディッシュ・食べ物でありエンターテイメントでありホラー・緊張と緩和の織り成す二重らせん構造・30世紀に残したい麺料理・来世でも きっともっともどかしいよ活字。伝われ、あの感動の雨あられ。正直旨すぎてびっくりした。もう食べ歩きやめようかと思った。人生に感謝した。おじいちゃんの病気が治った。こういう感動はシンプルに伝えたい。そんなこだわりさえも凌駕する『二郎』の魅力。伝えたい、この感動。共有したい、あの旨さ。さすればきっと戦争もなくなる。人々の争いは食べ物から派生していった。さすれば人々の争いの終焉は『二郎』が1枚かみそうだ。追記往復10時間の横浜関内ツアー。横浜関内二郎を食べるためだけ、ただそれだけのために付き合ってくれた勇者たちよ。キッド、レイデー、もんぶらん、うらら、あと新たな生命体。あの『二郎』はもう2度と味わえないと思う。横浜関内でたまたま出会えただけだから。でもあの二郎を食えたからあの二郎と出会えたからまた食べ歩きを始めるよゴールじゃないよゴルゴンゾーラだよまた会える日まで