子どもの不登校でお悩みの親御さまへのお願いです。
GW明けということもあり、そろそろ中間テストに向けて、周囲の生徒たちがピリピリしたムードになっていることも関係しているのでしょう。このところ、リアルでも知人繋がりで不登校関連のご相談を伺うことが増えてきました。ささやかではありますが、不登校経験児童の母というスタンスで、家庭内で親ができる工夫などをお話しさせていただいています。『みんなができていることがなぜうちの子はできない』こういう風におっしゃる親御さまに、私は決まってこうお返事します。「みんながみんな、同じ気持ちでそのことをやっているわけではないと思うよ。 掃除一つを考えても、 『なんで私が汚したわけでもないのにやらなきゃならないの?』 と感じる人もいるし、 『ここが片付いたらすっきりするわ~♪』 という気分になる人もいる。 私みたいに『掃除したらご飯作る余力がなくなる』と言って、 掃除しない母もいる(笑) やらなきゃいけないことをやっている子どもたちの本音は、 大人と同じ、本当にいろいろだよ」発達しょうがい児を育てていて、重要なことは『スモールステップ』ということを、私は学びました。このスモールステップは、不登校に関連した『エネルギー枯渇状態』の子どもたちにも有効だと実感しています。学校に行く行かないではなくて、まず、家庭の中でこの子が喜んですることは何かを知り、その出来る力を伸ばしていく。そのことが十分に力を発揮できるようになったら、全く別の『喜んですること』を伸ばしていく。具体的な例としては、挨拶が出来る子に、徐々にご近所への挨拶、地域の方々への挨拶運動へと伸ばしていくように、自分のご飯作りから始まって、家族のご飯作り、誰かにあげるためのおやつ作りへとつなげていくなどです。『本人が楽しいことから』が基本です。何のためになるの?と思われるかもしれませんが、不登校事象を起こすまでにエネルギー枯渇した子どもたちは、えてして自己肯定感が低いのです。「自分は生きてていいんだ」という気持ちを育て、「ありのままのあなたでいいんだよ」というメッセージを送り続ける。その上で、今後生活の中で出来ることを増やしていくことによって、いずれ子ども自身に『自分が一人で生活していく力がついてきた』という達成感を持たせる。上記の活動を行う上で親に求められるのは、『失敗を一切否定せず、ほんの小さな進歩を褒め続ける』ことです。そのことは子どものモチベーションを上げることにもつながります。家庭の中だけの実践ではなくて、学校や地域においてもご協力を得て『ほんの小さな進歩を褒め続ける』ことを実践していくことで、子ども自身の居場所が増えます。居場所が広がることで、子ども自身がまた新たな自信を育てていく。誰か一人だけでもいい、地域や学校の中で、この『ほんの小さな進歩を褒め続ける』ことを実践してくださる理解者を得てください。それだけで、親も気分的に救われますし、何より子ども自身が親には言えないことをも吐き出す場所を得て、そのことが安心感につながります。子どものエネルギー枯渇状態の改善に向けての社会への働きかけは、思いやり溢れる社会への改善活動へとつながっているのです。私たち親が、生き恥をさらして、ささやかでも思いやり溢れる社会への改善活動をしていくことで、いじめや生きづらい世の中を変えていくことができるのです。不登校や子どもたちが引き起こす諸問題は、私たち大人に今こそこういう活動が必要なんだと、子ども自身がその身を犠牲にして知らせてくれているのです。