素敵なパキスタン人
3ヶ月ほど、パキスタンに滞在して、ようやくこの国の人の生き方を理解できるようになった。同時に感銘をうけることが多々あり。1.まずは一般市民のまじめな生き方。日に3回以上アラーの神に、正しく生きることを誓う。ホテルの従業員30人近くはみな礼儀正しく微笑んで挨拶する。廊下にゴルフバックを置いたり、部屋を散らかしていても物がなくなるようなことがない。彼らの祈りの言葉を書いた本を読んだ。道にはずれたことをしたら、潔く厳しい捌きをうけますとか、日々、自分の生き方を見つめている。 2.子だくさん。兄弟が7人から10人というのはざら。こどもをさずかるのは神の思し召しと思って避妊をしないよう。それでも、家族の誰かが働いて支える。どんなに負担が大きくて、自由がなくとも、家族を支える。グルム君は、27歳の独身。がっしりとして無口で僕の気に入りのゴルフのキャディ。話を聞くと彼は長男。両親は老齢。わずか月7000円の収入なのに、彼一人で弟妹7人を含め、11人を養っていた。3.売り子もレストランも男ばかりの職場にも理由あり。貧しい国で仕事が少ない。一方で子だくさんで、家族を支えるのは男と決まっているから、女性に職を与える余裕がないというやむをえない事情。それに子だくさんの家庭なので、女性が家庭を離れられない。 4.支えあう家族の強いきずなの強さ女性の職場がほとんどないので離婚とか不幸とかなにかがあったら、どうするのだろうと思ったら、親族の誰かが支えてくれるよう。兄と弟が同居して事業を行っていたら、財布は、兄嫁か弟嫁に一任される。信頼しあっているから当たり前なのだ。5.結婚は親の意向を重視するわけ。そういう大家族が一緒に仲良くやっていけるかが、まず重要と誰もが認識しているから当然という。気心の知れたいとこ同士の結婚が、非常に多いそう。僕の隣の若者も、自宅に呼んでくれた人事課長も奥さんはいとこ同士だった。 そういうわけで、われわれ日本人よりはるかに人間同士が信頼しあい、立派に生きようと日々、神に誓って生きている。そんな民族の個性に感心すること多々あり。民族の個性といえば、世界中に武器をばらまいて戦争を引き起こして平然と平和を口にするアメリカ人。もともと、ビンラディンたちに武器を与え訓練したのはアメリカのCIAなのだ。チリの軍部に武器を与え、アジェンデ政権を崩壊させ、19年もの恐怖政治を引き起こし、7000人もの文化人が密かに殺害されたのも、もとはニクソンが仕掛けたもの。「傲慢で無神経なアメリカ人」である。しかし、中国でも同じだったが、後進国の人々を下に見て、傲慢に怒鳴り散らす人がいる。一緒にいて恥ずかしいと思うほど。人間的な魅力からすると、はるかにパキスタン人の方が、真摯で魅力的でした。さて、ゴルフのドライバーとパターを買い換えたので、お別れに、前の愛用していたのをグルム君にプレゼント。売って生活の足しにするように言った。喜怒哀楽をあまりださない彼も、とても嬉しそうだった。パキスタンの若い真面目な技師との楽しい思い出を土産に、ひと仕事を終えて、17日に帰国します。今日の水彩画 「カラチの街角」デザイン・アート部門のプログランキング参加中。クリックして応援してくださいね。