失敗談 5 メガネの悲しみ
ウ〇コ!!のはなし 1私は 父親の強い近視を受け継いで 小学6年生から メガネが必要になった。メガネをかけると容貌も落ちると思い,メガネをかけるのは必要最小限にしていた。授業中も我慢してメガネをかけなかったので、黒板の字はぼんやり、それでか 成績も下がる一方。いまならコンタクトレンズがあるのだけれど。私が年頃になり縁談を待つ時期になると母は「女はメガネをかけると 偉そうにみえるから 縁談がこなくなる。外ではメガネをかけないほうがいい。それに本ばかり読む娘は縁遠くなるよ」と注意した。私は本好きの娘だった。 縁談を待つあの受け身の時期が人生で最も嫌な時期だった。母は戦争未亡人で苦労したので、娘は経済的に心配のない家に嫁がせ、楽で幸せな専業主婦にしたかったのもわかる気がするが。娘時代の私は地方の常識どうり、親の家にいて、家事を手伝い、お茶、お花の花嫁修業もさせられた。しかし、父親のない娘にいい縁談は来ず、私は紆余曲折の末、自分で相手を見つけ、夫と結婚した。これは私の人生の大ヒットだったと今でも思う。今流行の「アンナと雪の女王」の歌ではないけれど夫は無理しなくていい「ありのままで~~」といってくれた。彼との結婚は 母の価値観から開放されることでもあった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・前置きが長くなったが 失敗談は ここからである。東京して所帯を持って2年、私は赤ん坊の長女を育てていた時の話である。「ありのままでいい」と言われても 女ごころから抜け出せず、日常はメガネをかけずに過ごしていた。ある日、さっき食べかけて落したチョコレートが畳の上に落ちていたので「もったいない」と思って ぱくりと口に投げ込んだのである。そしたら 「ううーーん!!甘くない!これ?チョコじゃない」吐き出してよくよく見、嗅いでみると 赤ん坊のウ〇コ だったのである。そそっかしい私が オムツ替えの時 ウ〇コを落し、それが乾燥して黒くなっていたらしい。可笑しくて可笑しくて 自分で大笑い。ウ〇コってどんな味か教えてあげるね。無味。ミルクだけのウ〇コって匂いも強くなかった気がする。不思議なもので、たとえウ〇コであっても、我が子のであれば 不潔とも汚いとも思わないことを発見した。私は夫が帰宅すると 笑いながら ウ〇コのことを報告した。すると夫は笑いもせず「如何してメガネをかけないの。頼むからメガネをかけて 安全に娘を育ててくれ。今更どうしてこだわるの?メガネをかけてもかけなくても 僕はありのままの君がいいんだから・・」と言った。これノロケかも?その日から 、メガネをずっとかけている。若い頃「メガネの悲しみ」を経験したわたしだが今は 新聞も本も 老眼鏡いらずなので 本当に楽だ。若い頃、羨ましかった 目の良い友人たちは 今 老眼鏡頼り近いものが見えない見えないと嘆いている。おあいこだーー。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・MとKのギャラリーhttp://www5e.biglobe.ne.jp/~tianduan